2017/12/26

A dream or reality

「われわれは、人間を乗せたのは初めてだ」

「じゃあ、人間のことは分からない」

「そうだが、地球にはたびたび来ている」

「何をしに?」

「宇宙にはさまざまな星があるが、われわれに似た
生き物が住んでいる星に出合うのはそう多くはない」

「キミたちの太陽のまわりには、そうした星が多いのにおどろいた」
今度は別の生き物からだった。

「というと?」
春利は不安でいっぱいだったが、相手の意思が伝わってくると、
次の不安が持ち上がった。

「太陽のまわりの星には、それぞれ生き物が出入りしている」

「あなたたちは、太陽のまわりの星のことを良く知っているんだね」

「なかでも、キミたちの星はきれいで、さまざまな生き物がいっぱい出入りしている」

「もしかして、あなたたちの星に、僕のような人間がいる?」

「来たことがあるようだが、その後、どうなったか分からない」

「それは、どういうこと?」

「しばらく生きていたようだが、環境がちがうから」

「この乗り物の中では、僕はふつうに呼吸できているけど、あなたたちの星には?」

「人間が呼吸できる空気はあるが、ほかのものが人間には合っていないようなのだ」

「じゃあ、僕は、どうなるの?」

「われわれの星に着いたら、キミの体をまもる異星人用のスーツを着てもらう」

「じゃあ、僕はもう地球に帰ることは出来ない・・」

「しばらく、われわれの星に住んでもらい、キミが地球に帰りたいのなら、連れて行ってあげよう」

「ぼ、僕は、すぐにでも地球に帰りたい」

「それは、できない。キミには、われわれのことやわれわれの星のことを知ってもらいたいのだ」

「ど、どうして僕だけが・・」
春利は窓の向こうを見たが、そこにはこれまで見たことがない闇があるだけだった。

To Be Continued

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2017/12/17

A dream or reality

いつの間に現れたのか、
春利の右手数メートルの所にもうヒトリ緑色の姿をした生き物が立っていた。

「キミはわれわれのことをおぼえていないようだね」
現れたばかりの生き物からだった。

春利は緑色の2つの生き物を恐るおそる見た。

「そ、それで、僕をどこへ連れて行く・・。僕の住んでいる所からだと」

「どう言えばキミに分かるかな」最初からいた方の生き物からだった。

「う~ん。北の方に見える星かそれとも・・」

「キミの住んでいる所からは見えない南の空の方向だ」
後から現れた生き物からだった。

「南の方の星?」

「そうだ。それほど遠くないが、大きな星でもない」
最初の生き物だった。

「太陽のようなのはある?」

「あるが、一つではない」
春利はもう、どちらから意思が来るとか考えなかった。

「どういうこと?」

「地球という星は、太陽という自ら光る一つの星のまわりを回っているだろう」

「われわれの星には、そうした自ら光る星が二つあるのだ」

「連星」

「そう。われわれの星はそれに近い所にある」

「宇宙にはそうした連星が多いのだ」

「僕はそこへ連れて行かれる・・。生きて帰れる・・」

To Be Continued

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2017/12/06

A dream or reality

「私はキミに会ったことがある」

「えっ・・」
春利は指示された通り、近くの椅子に座りベルトを締めたが、
伝わって来た相手の意思に驚いた。

「どこで?」

「こうえん」

「どこかの公園で会ったことがあるって?」

「そう。あの位置ではキミにはよく見えなかったかもしれないが」

「人間より、はるかに眼が良いんだね」

「そうだ。あの神社のそばの公園で」

「じんじゃのそばの・・」
眼が回る頭で春利はしきりに記憶を呼び戻そうとした。

「僕の家から遠い神社?」

「スワタイシャに関係がある神社の名前のこうえん」

「諏訪大神社の諏訪公園」

「そこだ」

「そこで僕が会っている?」

「そう。あのときは私は仲間と一緒だった。マシンはこれとは違うものだった」

「あっ・・」
あのとき奇妙なうなり声のようなものがして、子供くらいの緑色の動く生き物が二つ・・黒い物体が上空へ。

「やっとわかったようだな。あの時の仲間もこのマシンに乗っている」

「えっ・・」

To Be Continued

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2017/11/30

A dream or reality

「えっ・・」

春利はソファに背中をつけた状態で窓の方に眼をやった。
夢から覚めたが、頭の中で言われたのは現実だったのか曖昧だった。

「いま何か言った?」

「外からだ」
頭の中に何者かの意思が伝わって来た。テレパシー・・。

「窓を開けて上を見れば分かる」
立ち上がり、窓を開けサンダルを履いてバルコニーに出た。
雲間に星が見えたが、乗り物らしきものは見えなかった。

「建物の真上にいる」
春利は恐るおそる手すりに手をかけ庇の上を見た。

弧を描くような銀色のものが見えた。

と、春利の体は光の輪のようなものの中を上昇していった。

気づいた時、春利は直径3メートルほどの輪の中にいた。

「ぼ、僕はどうなるの?」
窓際に座っている不思議な姿をした生き物を見て言った。
口を開けて声を出したのではなく、恐れおののきながらそう思った。

「先ほど行ったように、キミをいままで行ったことがない星へ連れて行ってあげよう」

「僕が行ったことがない星へ・・」

「そう。キミが地球人以外の者とあちこち行っていることを知っている。
キミならそれほど怖がることもないだろう」

春利は眼の前に立っている不思議な生き物と向き合っていた。

背丈は春利より低く、吊り上った両眼が光っていた。それが宇宙服なのか、
体全体が濃い緑色で、カメレオンを連想した。

「そ、それでどこの星へ行くんですか?」
春利は、中央の円柱形の柱をちらっと見て言った。

「星の名を言ってもキミは知らない。キミを殺したりしないから大丈夫」
口の部分はまったく動かなかったが、相手の意思はしっかりと伝わって来た。

怖くて聞けなかったが、やっぱり宇宙服を着ているのではないかと春利は思った。

To Be Continued
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2017/11/29

A dream or reality

年が明け、春利は春期講習の募集準備に入っていた。

これまでと違っていることは前年末に時間講師を雇ったことだった。
アルバイト依頼に顔を出したのは、春利の大学の後輩で、
現在おなじ大学の院生だった。

家庭教師の方が収入が良いのではないか、と言ったが、
「人の家に行くのは何かと気を遣うし、ここだと家から徒歩で来られるし、
複数相手にやってみたい」というのだった。

アメリカ留学の経験もあり、経済学を研究しているが、話を聞くと、
中学の範囲なら幅広く出来そうだと思いOKした。

土曜の授業が終わり、焼きそばを食べた春利はソファに掛けた。

周辺の無料掲示板に春期講習の募集広告を貼りに出かけなくては。

春利は、懐中電灯片手に地下鉄駅前を通り、
ゆるやかな坂が続くバス通りの歩道を行った。駅周辺は帰りに貼ろうと思った。

あの辺りにもあったと思い、日頃よく立ち寄る広い公園の入り口まで行った。

「あっ、先生!」
声のした方を見ると、自転車に乗った少年が公園の坂を上って来て、
右に曲がった。車のライトで前カゴにある子供用のバットとグラブが照らし出された。

小学生なのに、こんなに遅い時間までやっていたのか、
と訊こうと思ったが間に合わなかった。

春利は、声をかけた塾生より大きな中学生が散っていった広い坂を下り、
前日の雨で少しぬかっていた公園の芝生へと足を早めた。

自分の意思に反しているような妙な感じがしたが体は進んでいた。

「行ったことがない星へ行ってみたくないか?」

To Be Continued

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