2017/08/23

訪問者

「やっぱり、謎でいっぱいだね。地球の半径は約6400キロとか聞くけど、地球人は地下約4キロ位しか行ったことがない」

「そうね。マグマの下のマントルの下に住んでいるんだと2900キロ下ということに」

「ミナさんは、そこへ行ってきた」

「あの乗り物で直ぐに着いたけど、そこには、地表よりはるかに整然とした都市が広がっていた」

「それは、不思議としか言いようがないね」

「そうね。私、そこが別の空間ではないかと疑ったわ」

「実際どうなんだろう?」

「はっきり言って、今の私には曖昧だわ」

「それで、案内してくれたカタは何か言っていなかった?」

「ええ。でも、『地球の地下を案内する、上空だけでなくあなた方の足の下にも沢山の生き物がいることを知っておくべき』だと」

「それだけ聞くと、我われが住んでいる同じ空間のように思えるね」

「ええ。でも、重なっている別の空間が、我われの地下でどのような形で存在しているのか分からないし」

「そうだね。別の空間の在りようが、今の我われには実感できないから」

「私も、本の中では私たちの地表の下を意識して書いたけど、クリーンエネルギーの研究者で、重なっている別の空間だから、地下を掘っても、そこには彼らはいない、という人もいるから」

「ミナさん、彼らが別の空間と我われの空間とを自由に行き来しているとしたら、捉え方が全然違っているのかもしれないね」

「そうね。でも、彼らには、その違いを明確に説明できると思うから」

「その違いを聞いても、僕らに理解できるだろうか」

「今の人間の科学では、一般人向けの基本概念が具体的にないから難しいところね」

「だいいち、僕らの生の肉体は、マシンなしでは別の空間に行かれないんではないだろうか?」

「アストラル界・・」

To Be Continued

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2017/08/18

訪問者

「ミナさんのところを時々訪れる半透明のカタは、心理学者の女性と言っていましたよね」

「ええ、人間でいうとそういうことになるわね」

ミナが春利の住む公団の分譲に着いたのは辺りも暗くなった7時過ぎだった。中3の高校受験が終了したため、
土曜のその時間は空いていた。

「『かれらのせいかつ』というミナさんのあの著書で、地底人にふれているけど、ずっと前から、地底人について追っていたの?」

「地底人、という言葉が適切かどうかは分からないけれど、沢さんには言わなかったけれど、あの本を書き始める前にも、あの女性が私の部屋へ来ていたわ」

「その女性、ソフト帽というかバスケットハットみたいなのを被っていなかった?」

「そういえば、いつも何か帽子のようなものを被っていたけど」

「こんな感じのカタ、かな?」
春利は、メモ用に使っている罫線なしのノートを開き、その後ろ姿をスケッチした。

「後ろ姿ね」

「ええ。僕のところへ現れたときは、後ろ向きで台所の方へ移動して行った」

「じゃあ、正面からは見ていないのね」

「それに、ノートパソコンのスリープ状態の真っ黒な画面上を移動して行き、流しの所でもふり返らないで消えてしまった」

「画面に映って移動して行った後ろ姿が、こんなだったのね」

「そう、下手なスケッチだけど、背は低めで、こんな、ちょっと小太りな感じだった」

「私のところへ現れる時は、正面からだけだけど、似ているように思うわ」

To Be Continued

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2017/08/10

訪問者

「沢さんも行ったことがある辺りだと思うわ」

「僕も行ったことがある?」

「ええ。でも私が行ってきたところは、ずっと地下にあたるのかな?」

「で、今そこから?」

「いえ、地上に戻っているわ」

「そこに、誰かいるの?」

「いえ。もういないわ、あのカタは」

「さっぱり分からないけど、僕が行ったことがある所と言ったよね」

「ええ。八ヶ岳山麓」

「えっ、八ヶ岳・・」

「沢さんには、お父様の生家に近いわけだけど、以前、マリアさまと」

「あのときは、縄文時代のその辺りだった」

「そうね。沢さんのところに現れた半透明のカタと同じかどうかは曖昧だけど」

「その、半透明のカタがどうしたの?」

「ある日私の部屋へやって来て、アナタに案内して起きたいとこがあると・・」

「それで、八ヶ岳山麓の地下へ?」

「地下と言っても、私には区別がつかないけれど」

「どういう意味?」

「私たちの次元空間と同じ地下なのか、それとも別の次元空間か・・」

「半透明のカタに訊いてみなかったの?」

「そんな余裕がなかったわ。ただ、いつもの地上に戻る、と言われて、
気付いたらここにいて、1時間以上地上を」

「八ヶ岳山麓のどこかを歩き回っていた」

「ええ。そこで、沢さんの思いが伝わってきたわけ」

「じゃあ、続きを話しに来ませんか?」

「そうね」

To Be Continued

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2017/07/30

訪問者

『かれらのせいかつ』

春利は読みかけの本を伏せ、目を瞑った。

彼らは広大な宇宙ばかりでなく、人間が暮らしている地球の地下深くでも暮らしている。
我われの太陽系に関係するエリアにも、知らされていないだけでかなりの数の知的生命体が存在する。

会っている時も電話やメールでも、これまでミナは地球の地下で暮らしているヒューマノイドにはふれなかった。

一口に、ETとかヒューマノイドとか知的生命体といっても、この広大な宇宙にはさまざまな種類が存在するに違いない。
それが、次元が幾重にも重なっていて、それぞれの空間にそれぞれの生き物がいるとしたら・・。
仮に11次元だとしても。26次元だったらなおさら。

と、その時、横長のテーブルの上に伏せた本の傍らのスマホに着信のサインがあった。

「沢さん、先ほど私を呼ばなかった?」
ラインにメッセージが入ったのは、ミナだった。

「あっ、早乙女さん、僕の心がもう分かってしまったんですね」

「当っていたの?」

「じゃあ、僕が訊きたかったことも分かっているんだろうか?」

「不思議な誰かが、沢さんのとこに現れたこと?」

「やっぱり知っていたんだね。それが、早乙女さんの著書を読んでいたところなので、驚きですよ」

「そうだったのね。訊いてみないとそこまでは分からないけれど、私のところにときどき現れるカタかも」

「あの、半透明みたいだったけど」

「ええ。地球の内部に住んでいる彼らは、一般には地上の人にはあまりかかわりたくないようだけど」

「じゃあ、何かわけでも?」

「彼女は心理学者のような存在で、人に興味を持っているようなのね」

「そうなんだ」

「ところで、時間的に大丈夫なの?」

「合格発表も済んで、だいたい希望のところに合格できて一段落で、早乙女さんの本を読む時間が出来たわけ」

「あそう、良かったわ」

「それで、ミナさん。今はどこに?」

To Be Continued

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2017/07/25

訪問者

tika.jpg

地球の地下深く、マグマのその奥に地底人が住んでいる。
そこには太陽のようなものがあり、整然とした都市が存在する。
彼らは地球人より遥かに高度な文明を持ち、戦争などしない。
地上に出てくる時は、人間と見分けがつかない姿かたちで、
上空には空飛ぶマシンで行き、他の星々のETたちと交流もしている。

春利がミナの著書を手にしたのは、3月になってからだった。
小中学生の受験も終わり、そうした時間がとれた。

『かれらのせいかつ』と題されたその本のことが気になりだしたのは、
半透明の女性が春利の部屋に現れてからだった。

大学の講師をしていた早乙女ミナがとつぜん職を辞し、
本を出すようになった。リモートビューイングが出来るミナなら、
彼女の著書の中に、春利の疑問を解く手がかりがあるかもしれないと思った。

自らの身に次つぎに起こることを、いちいちミナに訊くことは憚られた。

部屋に現れた半透明の女性は誰だったのか?
なぜ僕のところに現れたのか?
世界中の、不特定人にある日突然あらわれているのか?

次元が移行しつつある・・
これまで見えなかったものが見えるようになる・・

一体どれくらいのETの種がこの地球にやって来ているのか。
こうしている間にも、地球人の教科書には載っていない名前も知らない彼方の星から、
新種のETがやって来ているのだろうか。

地球に、幾重にも重なっている別の空間から、
彼らはひょいとこの空間に姿を現したかと思うと、
突如消える。

ミナの本は、そこで創世記を引用している。

『我々にかたどり、我々に似せて、人を造ろう。そして海の魚、空の鳥、
家畜、地の獣、地を這うものすべてを支配させよう。
神は御自分にかたどって人を創造された。
神にかたどって創造された。
男と女に創造された』

To Be Continued

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