2012/08/29

上海へ

春利の方から電話を切ったのだが、炊飯器のスイッチを入れてまもなく着メロが鳴った。

来未からのメールだった。

「わたしたち、友達でいた方が良いのかな。結婚は無理だっていうことかな」

春利はメールで返す方が気持ちが楽だった。

「少し時間をくれないか。これで僕らの人生が終わるわけではないんだから。いや、来未ちゃんにほかに好きな人が現れて、来未ちゃんが、その人と結婚したいっていうのなら、そうした方が良いと思うけれど、もう少ししても二人の気持ちが変わらないのなら、それは僕らが結婚してこれからの人生をやっていけば良いと・・」

「今の段階で、婚約はできないっていうこと?」

「ごめん、はっきり言って、自信がないんだ。今の会社でこのままやって行かれるかどうか。それで、もう少し時間をみて、上海に行って、軌道にのり、生活が成り立ちそうなら、結婚をしたいと思う」

「分かったわ、わたし、沢さんのほかに好きな人がいるわけではないから、それまで待つわ」

「ありがとう、僕はクリスチャンの洗礼を受けたわけではないけど、神様がいるのなら、きっと僕らにふさわしい答えを出してくれると思いたいんだ」

来未はメールを読みながら、春利は両親のようになることを嫌っているのだという思いが脳裏に浮かび、神様が二人をしっかりと結んでほしいと願った。


To Be Continued

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