2012/06/27

夢か啓示

パソコン画面に現れたマリアのことは、会社が始まる前日になっても春利の意識に浮かび上がった。忘れようと努力したわけではなかった。嫌なことは意識的に忘れたいと思うことは今までにもあったが、そうではなかった。

父がいたと母から聞いた5歳までの間に、イエス・キリストや神について絵本などで読んで聞かされた記憶も浮かんで来なかった。ただ、以前偶然ネットで観た「秋田のマリア」のことは、思い出すことがあった。

しかし、そんなことはまったく忘れていたのに、意識的に検索したわけでもないのに、あの日パソコン画面に現れた。夢なんかではなかった。春利はノートパソコンの前にいた。クリックはしていたが、その瞬間どこかのサイトが開いたのではなかった。

最初どこかのサイトが開いたと思った。その間2、3秒画面からすべてが消える空白の瞬間があった。サイトのリンクが開く時とは様子が違っていた。タイトルバーもアドレスバーも、周囲にはバーなどなかった。あのような画面を表示させることはできない。あの瞬間、そう、電池のランプ表示が消えていたかもしれない。

教会や家にあるマリア像の目から涙が流れ出たとか、、石膏製のキリスト像の手から血が流れたという記事はネット上で見かけたが、パソコンにマリアが現れ涙を流したのだ。

春利は、なんらかの願いがそのような形になって表れたのだと思いたかった。だから、自らの外に追い出してしまおうとはしないでキープして行こうと思った。
その時点では、その後に起こることなど予想出来なかったのだから。


To Be Continued

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