2012/03/11

年末年始

春利は、出入り口に近い辺りに立っていた。年末のせわしなさがないと言えば嘘になった。来未と付き合うようになってからあおなみ線の利用が増えていたが、会社の者に出合うことはなかった。というより車内で周囲をあまり見ないようにした。こちらが気づかなくても向こうは見かけているかもしれないとも思った。

次だったなと思った時、ポケットの携帯が気になった。手に触ったついでにちょっと開いてみた。用もないSNSのメールの下に来未からのものがあった。

「ごめん、約束したお店に来て気づいたんだけど、あのファミリーレストラン5時までだった。それでそこよりも駅に近い・・」

改札を出た春利はすぐコールした。

電話に出た来未は、今お店に着いたところだと弾んで言った。場所は名古屋港に続いている川のそばだというので辺りは暗くなっていたがさほど迷うことなくたどり着けた。

「このお店、私の家から歩いても8分くらいよ」春利がテーブルの側まで行った時来未が笑みを浮かべて言った。

「じゃあ、よく来ているの?」

「うん、3回くらいかな。午前11時から夜の11時までやっているみたいね」

「じゃあ、ゆっくりできるね」

「私、明日の昼頃の電車で帰るわ」

「あそう。お姉さんも?」

「姉は、今は伯父さんがやっている会社の経理をやっているとか。家から通っているのよ」

「じゃあ、家族みんな集まって団らん出来るんだね」

「沢さんは、一人だからさみしいわね。私と一緒に行く?」

来未は笑いながら言った。

「そうだね。そのうちにね・・」


To Be Continued
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