2012/01/23

愛って

勤労感謝の日に春利が来未の家に泊まってから、二人は休日に会ったり食事をしたりすることが多くなった。二人が勤める会社は、完全週休2日制だったから、毎週土日と祝日は休みだった。

どちらかが先に携帯にメールを入れ、次に電話することが多かった。
春利は土曜に来未の家に泊まり日曜日の昼に名古屋駅に二人で出かけることがたびたびあったが、会社の誰かに二人でいるところを見られたくなかった。来未にそのことを話し、車内や名古屋駅周辺では少し距離を置くようにした。

「わたし、そんなに急いで結婚しなくても良いと思ってるわ」
来未は賃貸マンションを出て春利と駅に向かって並んで歩き出した。
春利は無言だった。

前回来未の家に来たとき、来未が姉の梨花のことにふれた。3歳年上の姉は4年前に結婚したけど、2年後に離婚したという。

春利は来未といくどもセックスしておきながら、婚約するのにためらいがあった。遊びとして性欲を処理すればいいという考えではではなく、結婚してやっていかれるか不安だった。

とりこし苦労かもしれないが、このまま会社員としてやっていかれるのか、会社もずっと存続するのか、それに両親のこともあった。
来未には春利が幼い時に両親が離婚したことも就職した年に母親が亡くなったことも話していた。

「ごめん、僕が優柔不断だから」

「でも、今はこんな世の中だし、わたし、結婚してすぐ別れるんだったら、籍なんか入れない方が良いと思うわ」

そう言われると、春利はますます自分がいい加減な男に思われ、前方に視線を向けたまま歩を進めていた。


To Be Continued

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