2011/12/23

フロリダ

日本との時差は、14時間。あちらは朝でこちらは夜か。日米を行き来している経験からサト子の方が日本とアメリカの違いを知っているだろうと桑田は、思った。

「私の親友の百合子さんが亡くなったのね。看護学校で一緒だった・・。どうして知らせてくれなかったのって言ったら、連絡先が分からなかったからって・・」

桑田が最後にサト子と電話で話したのは3年程前だったろうか。桑田はその頃はまだ通信関係のコールセンターで派遣社員をやっていた。そのときかかってきた電話で、その年の夏に彼と一緒に日本に行くから、岡野さんや桑田さんにも会いたい、横浜とか川崎辺りを案内してくれないかと言った。岡野都美子も同じ施設で出会った人だったが、都合がつけば、と桑田は曖昧な返事をしたことを覚えている。

アメリカで看護の仕事をしたいとサト子から相談された時、「それは良い経験になると思う、行ったらいいじゃない」と桑田が言ったのは25年前だった。キリスト教会の紹介だというので、桑田は特に他意なく応えた。

それから10年ほど経った頃、サト子からの手紙が桑田の住む転居先の団地に転送されてきた。桑田は、その後妻と別れて一人でいるなどの近況に触れ、エアメールに連絡先を知らせて送った。

岡野都美子からは毎年クリスマスカードや賀状が桑田宛に届き、半年に一度くらいの割合で電話が入ったが、サト子からは1年に1度ほど電話があったが、すべてフロリダの自宅からだった。岡田都美子とは互いに電話で連絡していると言っていた。

「それで、その後、以前言っていた彼と住んでいるの?」

「あの人とは別れたの」

「じゃあ・・」

「ロバートよ、今一緒にいるのは。彼は良い人よ」

ロバートというのは、3年ほど前に一緒に日本へ来た白人男性だった。



To Be Continued

Sponsored Links