2017/11/29

A dream or reality

年が明け、春利は春期講習の募集準備に入っていた。

これまでと違っていることは前年末に時間講師を雇ったことだった。
アルバイト依頼に顔を出したのは、春利の大学の後輩で、
現在おなじ大学の院生だった。

家庭教師の方が収入が良いのではないか、と言ったが、
「人の家に行くのは何かと気を遣うし、ここだと家から徒歩で来られるし、
複数相手にやってみたい」というのだった。

アメリカ留学の経験もあり、経済学を研究しているが、話を聞くと、
中学の範囲なら幅広く出来そうだと思いOKした。

土曜の授業が終わり、焼きそばを食べた春利はソファに掛けた。

周辺の無料掲示板に春期講習の募集広告を貼りに出かけなくては。

春利は、懐中電灯片手に地下鉄駅前を通り、
ゆるやかな坂が続くバス通りの歩道を行った。駅周辺は帰りに貼ろうと思った。

あの辺りにもあったと思い、日頃よく立ち寄る広い公園の入り口まで行った。

「あっ、先生!」
声のした方を見ると、自転車に乗った少年が公園の坂を上って来て、
右に曲がった。車のライトで前カゴにある子供用のバットとグラブが照らし出された。

小学生なのに、こんなに遅い時間までやっていたのか、
と訊こうと思ったが間に合わなかった。

春利は、声をかけた塾生より大きな中学生が散っていった広い坂を下り、
前日の雨で少しぬかっていた公園の芝生へと足を早めた。

自分の意思に反しているような妙な感じがしたが体は進んでいた。

「行ったことがない星へ行ってみたくないか?」

To Be Continued

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