2017/08/31

地下世界

春利が一人で八ヶ岳に出かけたのは、塾の夏休みの授業が終わった8月末のことだった。

ミナの話を聞いてから、八ヶ岳のことがずっと春利の頭にあった。

八ヶ岳山麓辺りと言えば、春利の父の郷里がある所でもあり、
カナの父で谷川良治の伯父にあたる渋江真佐雄の秘密の家がある所でもある。

春利はまた、父が訪問したという信濃境駅から歩いて行かれる井戸尻考古館のことを思いだし、
以前、マリアと思われるあの方に連れて行かれた縄文時代の八ヶ岳の風景がよみがえってきた。

その日、小淵沢駅でJR小海線に乗り換えた春利は、清里駅で下車した。
八ヶ岳は、複数の山々の総称だったが、春利は山に登るのではなく途中まで行って見ようと思った。

茅野駅からバスで美濃戸口まで行き、そこから八ヶ岳連峰の最高峰である赤岳を目指す登山客が一番多いということから、
別のコースで途中まで行ってみようと思った。

清里駅のバスセンターから清里ハイランドパーク行のバスに乗った時10時を回っていた。
バスの所要時間は13分、バス代は310円だった。

そのバスで下車した登山客は十数人だった。
登山用の服装をした人々は、縦に列を作って歩き出した。
春利は一番最後から従った。一キロ位歩いて辺りの景色をじっくり眺めて戻ろうと思った。

列は坂道をヘビのようにゆっくり登って行く。
目指すのは、長野県と山梨県にまたがる標高2,899 mの赤岳。八ヶ岳連峰の最高峰だ。

だが、春利の目的は赤岳に登ることではなかった。

草の上に座り込んだ春利は上空を見上げ、首が疲れたので足元の大地に眼をやった。
八ヶ岳は、ピラミッド構造と同じだ、という記事を思い出した。

ギザのピラミッドは、陽石と陰石が数百万個、交互に積まれ、中性エネルギーを発生させている。
八ヶ岳は、四つの山の岩石が酸性で後の四つの岩石がアルカリ性。
この八つの山の砂が混じると中性になりエネルギーの高い磁場が周囲に出来上がる。
これはフリーエネルギーの原点で、八ヶ岳は巨大なフリーエネルギー発生装置となって周囲に特殊な磁場を形成させている。

真偽はともかく、ピラミッドの下に地下都市へ通じるトンネルがある、
とETコンタクティーが動画で述べていたことが再び脳裏に浮かぶ。
上空はところどころ雲に被われているが、雨が降りそうな様子はない。

To Be Continued

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