2017/07/13

訪問者

塾の授業が始まり、1月最初の日曜補講を午後2時から始めた。関数がいまいち分からないという5人の県立高校受験者のためだった。翌月半ばが受験日だったが、滑り止めの私立を受けていない子もいた。

SIMカードの1ヶ月分の料金体系のグラフをボードで描きながら、春利は自分の頃は携帯すら持っていなかったことを思った。

補講が終わったのは5時過ぎだった。

夕食をどうしようかと思いながら、ノートパソコンを立ち上げた。気になる動画を観ようと思ったが、始まってしばらくすると急に眠くなった。ソファに掛けた状態で5分とは眠っていなかったと思うが、ふと眼前の画面を見ると真っ黒だった。ボタンを押そうと思ったが、春利は画面を見つめていた。

春利の肩の辺りからソフト帽をかぶった女性が後方へ移動して行くのが見えた。春利の位置からは後ろ姿のままで、流しの前まで移動して行った。

春利は、目の前のパソコン画面に映ったその女性を画面上で追ったが、そこで姿が消えた。

どちらかと言ったら小太りで、背は高くなかった。

画面に映ったから見えたのか? 春利はしばらく考えた。着ているものは黒ではなく、どちらかと言ったら明るい色合いだった。

気配を感じたから目覚めたようにも思われる。それにしても、足音はしなかった。歩いているというより浮遊して移動して行った感じだった。

半透明。地底人?

春利は、クリーンエネルギーの研究者が、ときどき現れてヒントをくれる、と言っていた訪問者は半透明の地底人だと動画の中で言っていたことを思い出した。

その姿をどこかで見かけたような気がしないでもないが、後ろ姿で移動して行ったし、誰? と訊く余裕などないままに消えてしまった。

誰かは分からないが、ETの類だとすれば、春利が驚かないように姿を変えて現れたのかもしれない。

再度スリープ状態になっている画面を見たが、室内のあれこれが映っているだけだった。

「UFOも幽霊もみな同じものだと思う」降霊術を扱っているというある女性が動画で言っていたのは、異次元の存在が我われの次元に現れてまた別の次元に移動して見えなくなる、ということを言ったのではないか。

To Be Continued

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