2017/05/30

奇妙な会話音

春利は足を止め、耳を澄ました。機械の唸り音とも生き物の声とも分からない音はいったん止んだが再び聞こえた。

わずかな風がこちらに向かって吹いているのだろうか。

それにしても人の姿がない。春利はそのまま帰ろうかとも思ったが、背中のおにぎりをどこかで食べてからにしようと思い直した。

と、音のして来る方の茂みが動くのを感じた。狸とか猫とかかもしれない。確かめてみようと思い、そちらへ向かって歩き出した。

「ワーイーウー・・ワーイーウーエー・・」何か母音だけが尾を引いているようにも聞こえる。

10メートルほど歩いた時、春利は思わず息をのんだ。濃い緑の茂みの中で、緑色の何かが動いていた。ゆっくりと近づいて目を凝らした。

大人ではない。・・緑色の服を着た子供かもしれない・・。2人いるように見える。

さらに近づくと、2人の側に黒い何かの固まりのようなものがあった。

と、突然濃い緑の茂みが大きく揺れ、奇妙な生き物が二つ並んで現れた。

次の瞬間、春利は上空を見上げている自分に気づいた。

上空には、漆黒の物体があった。灰色の雲の下で、コバルトブルーの縁取りが光っていた。

それはひし形をしていた。

春利はおにぎりを食べることを忘れて神社の石段を下りていた。

初めて見た不思議な生き物。緑色の顔につりあがった大きな眼。背丈は1メートル位だったろうか。

あれは、彼らのことば・・・。宇宙服を着ていたのだろうか。

漆黒のスペースクラフト。

「ワーイーウー・・ワーイーウーエー・・」春利にはそんな風に聞こえたが、ほんとうのところは分からない。

何をしにあそこへきたのだろうか?

To Be Continued

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