2017/04/05

縄文人のDNA

フィンランドの大学に留学した渋江カナは、2度目の秋休みを迎えた。京都の大学にいたときにはなかった休みだが、1週間ある。夏休みには母のいる京都に帰ったが、講師のミナから届いたメールで忙しそうだったので、母のところに1週間ほどいて、ミナには会わずに戻った。夏休みの後半は、フィンランド語とスウェーデン語の学習をしながら、教会でボランティアをした。

秋休みに入った日の昼前に父から連絡が入った。父の連絡はいつも脳内に直接働きかける方法だった。

「カナ、しばらく休みがあるのなら、迎えに行くからこちらへ来てみないか?」

「こちらってアメリカ?」

「いや、火星」

「パパ、アメリカかと思ったら、今、火星にいるの?」

「そう。大学に籍を置いてるけど、ちょっと研究していることがあって、火星に来ているんだ。この間、良治も金星から来たんだよ。もう帰ったけど」

「そうだったの。それで、わたし、どうやって火星に行くの?」

「迎えに行くよ」

「スペースクラフトで」

「そう。これから行ってもいいかい?」

「いいけど。わたしのアパートメントの上空へくるの?」

「いや、近くの公園。人目を避けて、雲の陰から合図するよ」

「分かった」

To Be Continued

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