2016/11/05

新たな遭遇

「ど、どうぞ」

「わたし、来てはいけなかった?」

「い、いえ。大丈夫ですよ」

「この時間、食事はしました?」案内されたソファに座り、梨花はいぶかしげに言った。

「ええ。実は先ほど起きて、軽く食事しました」

「何か、あったの?」

「ええ。あの乗り物で・・」

「UFOのこと?」

「昨日の夕方公園に導かれ、そこで」

「乗ったのね」

「そう」

「もしかして、早乙女さんも?」

「いえ。早乙女さんからはあれから連絡がないままで」

「それで、沢さんはどこへ?」

「アフリカ上空」

「えっ! アフリカ上空へ」

「それに乗っていたのは、あの、法隆寺にいる・・」

「法隆寺の。それどういう意味?」

「法隆寺にいる、顔がトカゲの姿の坐像」

「その顔のエイリアンが乗っていた」

「そう。3人。宇宙服を着ていてはっきりは分からなかったけど。アブダクションされるかと思った。でも、こうして戻って来た。記憶も消されていない」

「それで、相手から何か意思表示があったの?」

「イナンナから、僕に人の祖先を創った所を見せておくよう言われたと」

「イナンナって、マリアさまね。何か、ドラマを見ているような話ね」

「梨花さんには、そう思われるかもしれないね。僕はアフリカはまったく初めてで、アブズという地名も初めて聞く地名だったけど、グレート・ジンバブエ遺跡がはっきり見える位置まで降下して行った」

「そうだったの。人類の起源がアフリカだとかいう説は聞いたことあるけど、興味はあるけど私も一度も行ったことがないわ。でも、無事に帰って来られて良かったわ。イナンナというお方のほんとうの姿も何を意図しているかも分からないけれど」

春利は頷き、大きく息を吐き出した。隣りに移動してきた梨花の手が春利の手の甲にそっと重ねられた。

To Be Continued


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