2016/08/30

太陽系外惑星

3月も半ばになり、春利は4月に新小6になる塾生の親との面談に追われる日々が続いていた。中3の塾生は公立高校受験が主で、全員希望校に合格できたことでほっとしたが、私立中学受験はそういうわけにはいかないことが分かっていた。

それで、いわゆる受験専門塾へいくことを勧めた。5年生の補習クラスは問題なかったが、私立中学受験を希望する生徒には受験専門塾へ行くよう勧めた。1年前、それでも見てほしいと言われた父兄には、5年の新学期が始まる前に、定期的に外へ模擬試験を受けに行くことを条件に受け入れてきたが、仕上げの6年となればそういうわけにいかない。受験の合否がその後の本人の人生に大きな影響を及ぼすことになる。

「お久しぶり。休みになっていたけど、いつものように試験の採点とかいろいろあって連絡できなくてごめんなさい」
ミナから電話が入ったのはそうしたある日だった。

「ほんとうに、新横浜公園以来ですね。あの時は上空からの声だけでしたが、どうなったのかなって、来未の姉の梨花さんと話していたんです。じゃあ、大学の授業には間に合ったというか」

「ええ。大丈夫でした。また会ってくわしいことを話したいと思っているけど、沢さんは、塾の方は忙しい時期かしら?」

「中学生の高校受験は終わりほっとしているんだけど、新小6になる私立中受験の親御さんとの面談に追われてます。他の受験専門塾へ行くように勧めてるんです」

「そうね。私立中の受験て特殊だから。じゃあ、時間的に、無理かな?」

「大丈夫。ちょっと時間をください。予定を見て、今度は僕からメールしますから」

春利がミナにメールしたのは、小中が春休みになる2日前だった。入塾生の受付と春期講習の準備で多忙だったが、ミナがどこへ行っていたのか、また巨石の渦巻き模様についても会って直接訊いてみたかった。

To Be Continued

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