2016/08/01

古(いにしえ)と結ぶ

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「父さん、今大丈夫?」

「朝から急にどうした。塾の方は問題なく行っているのか?」

「大丈夫だよ。正月休みも終わり、もう学校も始まってるから、塾の授業は午後からだから。一つ訊きたいことがあって」

「どんな?」

「父さんの生れた家、諏訪の伯父さんの家には、畑に巨石がある?」

「うん。大きなのがあったな。どうして?」

春利は上海から帰国して運よく父と再会し、生家が諏訪だと聞いた。だが、春利が5歳の時両親は離婚して、その後母と生活していたから、これまで父の生家へは一度も行ったことがなかった。

「この前、父さんと井戸尻遺跡のある駅から歩いて、あの不思議な家でばったり出会ったけど、あそこから近いの?」

「こちらから電車で行くと、もう一駅向こうの、富士見っていう駅で降りて、普通に歩くと20分くらいかな」

「その巨石、畑のどちらかと言ったら道に近い所に・・」

「春利、どうしてそれが。実は、私の子供の頃は、確かに道に近い方にあったが、その後、甥が結婚してそこに家を建てた時に、ブルトーザーで、移動したみたいだな。子供の頃、麦畑だったけど、その後、ソバ畑になって」

「じゃあ、伯父さんの子供、僕のいとこが結婚してその畑に家を建てて住んでいる」

「そうだね。タダキって言ったかな。子供もいるよ」

「そうなんだ。僕のいとこが。それで、父さん、なぜ僕にそれが分かったと思う?」

「行ったことがないのに分かったということは、誰かが教えてくれた」

「さすが。でも不思議なことに巨石はなぜか父さんが子供の頃あった場所なんだね」

To Be Continued

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