2016/07/25

隠されている世界

階段を上がり、梨花を部屋へ案内した春利はすぐにパソコンを立ち上げた。

「ここで生徒さんたちに教えてるんですね」春利は頷き、パソコンの側へ梨花を手招きした。

「これが神々の系図ですか?」

「僕は最初、神々の像は人間が勝手に想像力でつくりあげたものだと思ってたけど、最近、それぞれの国の人々は見たものを残していった、というリサーチャーの意見を受け容れるようになった」

「シュメールとバビロニアでずいぶん違いませんか?」

「シュメールではエンリルとエンキが頂点にいるけど、時代が変わり、バビロニアになると、二人の孫娘にあたるイシュタールが頂点に立ってますね」

「エンリルとエンキって?」

「アヌ王にこの地球へ遣わされた兄弟のようですね。エンキは腹違いの母親から生まれたとか言ってるけど、くわしいことは僕には分からない。それに、一般にETの中では、人間のように血縁関係だけで親子が決まるのでもないようだから。ETの種類によっても違うのかもしれない」

「それはずいぶん複雑だわね」

「アメリカにいるトールホワイトという種は、800年ほど生きるけど、400歳ころで成人して養子を貰い受けるようだから」

「長生きするんですね」

「旧約聖書の創世記には、長寿の人が多く出て来るけど、ノアは950歳で死んだとあるから」

「あれって、カウントの仕方が間違っていたのではとか聞いたことがあるけど」

「僕も最初はそう思っていたけど、実際にアメリカで彼らと付き合っていた人が、リタイアしてから本を出版して800歳という数が出てきたのを知り、旧約で書かれていることはほんとうなのでは、と思うようになった」

「それって、この国の人はどれくらい知っているかな?」

「それは分からないけど、そういうのって曖昧にされてきて、そんなこともあるんだろうかくらいで終わっているのではないかな」

「沢さんは、その神々の系図とETのことをどんなふうにとらえているの?」

「太古の昔から、神と呼ばれるETが世界各地にやって来ていて、人間と関わりを持って来た。彼らの人間を遥かに超えた有様にふれ、呼び方は国によって違うけど、神信仰が生れていった。それは、八ヶ岳山麓だったり、シュメールやバビロニアだったり、アフリカの国々だったり、ギリシャだったり、トルコ、イラクやペルシャ、インドやマヤ、・・。大雑把にいえば世界中に類似というかコンセプトが同じテラコッタや土偶や壁画や、そうしたものが残っていることで・・」

「系図に示されている存在は?」

「それは、一般のETではなく、地球上である時期、神権を与えられたETで、優れた能力があったり極めて長寿だったりした存在かな」

「分かる部分もあるけど、なんだか、分からないことでいっぱいだわ」

「僕だって」

To Be Continued

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