2011/10/03

奇跡

目覚めた時、春利は半ば反射的に置時計に手をやった。不思議な夢を見たような気がするが記憶は遠ざかっていた。と同時に、勤務のことが頭に浮かんだ。

アナログ時計の小さな針が止まっていた。やばい、と携帯電話をつかんで広げた。

画面の左上の小さな数字を見つめたが霞んでいた。しばらくして数字が読めたが、その日は勤労感謝の日で会社は休みだったことを思い出した。

夢のせいだったかもしれない、と思いつつ電気カミソリで髭をそった。パンと牛乳とスーパーで買い置いた野菜サラダですませた。

テレビをつけチャンネルを変えたがすぐ消した。週の半ばで肌寒い日がつづいたので洗濯物もたまっていなかった。

誰かに会いたいと思った。電話よりメールのほうが少し間が持てて良いと思った。

携帯を開くとメールが複数入っていた。迷惑メールの間に見覚えのあるものがあった。

石橋来未からだった。来未とは入社が同期で彼女は短大を卒業して事務職で入社した。春利より2歳年下だったが、同い年か年上にも思えることがあった。

もし予定がないなら、名古屋駅周辺でお茶しないかと言ってきた。朝8時に送信されていた。同期入社ということで、来未とは日頃から気軽に話していた。

来未も賃貸マンションで一人暮らしだし、よければ昼飯を一緒にするのも良いと思い、その旨を記し春利は直ぐに返信した。


To Be Continued

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