2016/03/05

八ヶ岳山麓

「父さんも何も知らされなかったということは・・」

「春利、これ、見る角度によって何か印があるような気がするが・・」荘太は上下左右に顔を移動させて言った。

「ほんとうだ。何か手の形のマークがあるような気がする。この家は電気設備がされていないから配線とかコンセントやスイッチもないけれど部屋の中が適度に明るいよね」

「そうだな。一般の家庭では使われていない技術が導入されているに違いない」

「ある種のフリーエネルギーだろうか?」

「そうかもしれない。天井か床か壁かに何らかの仕掛けというか特殊なテクノロジーが仕組まれているに違いない」

「ちょっと見では分からないけど。しかし、良治が来たころも同じだったとすると、伯父である渋江真佐雄氏から何らかの形でそれを教わったか伯父さんのすることを見ていたかだな」

「では、やってみよう」荘太が角度によって手形に見える所へ右掌を当てた。

すると、ゆっくりと長方形の引き戸ぐらいの幅が右の方へスライドした。が、そこは更に壁で被われていた。

「父さん、今度は僕がやってみる」春利が左手の形が見えるそこへ左手を当てた。すると、今度は右から左へと目の前の部分が移動して、中の部分が見えてきた。

「春利、見覚えがあるかい?」

そこには人が一人立てるくらいの空間があり、上部の半球形の透明ガラスのようなカバーの下にコイルや複雑なマシンのようなものが確認できた。

「父さん、僕はここへ降りてきた記憶は全然ないけれど、見覚えがあるような気がする」

「ということは、春利は上空から透視したのかもしれないな。あの方が空飛ぶ乗り物からそうしたテクノロジーを使ったに違いない」

「すごいことだね。それで、ここには一人しか入れないけどどうしようか」

「春利、今回はここまでにしておこう。おそらく中へ入ると二重の扉が閉じられるかもしれない。そして、そこに見えるマシンを操作すると、一瞬にして・・」

「金星かどこかの星へ瞬間移動する・・」

To Be Continued

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