2015/05/24

別な空間

春利が横浜の駅に近い喫茶店で父と会うことになったのは、ミナとスカイプで話してすぐの日曜日だった。良かったらちょっと話したいと電話したのは春利だった。

その日、春利は地下鉄で、荘太は小田急と横浜線を利用して横浜へ出た。西口に近いところで比較的静かな店があるからとは荘太の提案だった。日曜日でも午前中だと混まないだろうからとの荘太のことば通り、比較的広い喫茶店のフロアには二組の客しかいなかった。

「父さん、僕の友達の早乙女さんの生徒だった女の子が、理工学部を辞めてフィンランドへ留学したんだけど、夏期ではスウェーデン語をやり、9月から正式入学するらしいんだけど、それが、父さんのやった神学らしいんだ」

「ほう、神学を。それで、フィンランドの大学で、スウェーデン語とは」

「それがね、神学を学べる大学ということで選んだらしいんだけど、そこは、フィンランド語でなくてスウェーデン語が主な言語らしいんだ。外国人は英語でレポートとか書いてもいいらしいんだけど」

「短期間でスウェーデン語が使えるようになるのは大変ではないかな」

「そうだね。何か事前に調べて準備していたようだけど。ちょっと特異な人みたいだから」

「というと」荘太が周囲に目をやり、トーンを落として言った。

「それがね、父さん。例の問題が関係しているようなんだ」飲み物が運ばれてくるところだったので、春利もトーンを落として言った。春利はコーヒー、荘太は野菜ジュースだった。すぐにサンドイッチをお持ちします、と店員が踵を返した。

「カナさんて言うらしいんだけど、一度はさらわれたというか、何もなかったようだけど。それに、二人は火星の上空まで彼らの乗り物で」

「アブダクションみたいなことがあった上に、火星の上空まで行ったんだね」

「そんなことも関係したんだと思うけれど、大学病院の精神科へ入院して・・」サンドイッチが運ばれてきたので、春利はいったん話を止めた。

「退院後、復学しないで今度はフィンランドへいったんだ」

To Be Continued

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