2014/11/10

世界の向こう-火星-

「ほんとうに、もう、マーズへ?」と心の中で言ったミナだったが、どれくらいの時間がたっているのかは漠然としていて分からなかった。

これは夢ではないのだ。それにしても、エイリアンの世界のことはほとんど分かっていない。悪いようにはしないと言っても、当初はカナを連れて行って人体実験をしようとした。上からというか、組織の命令みたいなものがあってやっているのではないのか。本で読んだところによると、彼らは生殖能力がなくなり、人間の女性を利用して新たな生命を誕生させようとしているのではないのか。だとすると、そんなに簡単に方針を変更するということができるのか。それともこのエイリアンは、仲間を裏切って行動しているのか。

と、画面の右側に黒い物体が飛んでいる。これだけはっきり見えるということは、ここは完全に火星の昼間なのだろう。カナがミナの方を見た。丸く見える黒い物体はいくつも飛んでいる。地球で言うUFOなのだろうか。前方の窓の方を見ると一面に赤茶色の大地がつづいている。

「画面のまん中を見ていなさい。キミたちの目にははっきりと見えないかもしれないが、あの変な機械のようなものが人間がマーズに送り込んだロボットだ」

エイリアンの思いが伝わってきてすぐに、画面の中央に小さな金属の固まりのようなものが見えた。

「あれは、ローバーのキュリオシティ・・」ミナがささやくように言った。

「キュリオシティ」ということばにカナが反応してミナを見たが、早く地球へ戻りたい、と言っている。

そうね。ほんとうに無事に早く地球へ戻りたい、とミナはうなずく。

「キミたちは、やはり地球人だね」
前にいるエイリアンの思いが伝わって来た。

To Be Continued

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