2014/11/06

世界の向こう

「カナには何もしなかったから大丈夫。わたしが止めたのだ。人体実験はなにもほどこしていない。キミたちを悪いようにはしない。おわびと言ってはなんだが、こうしてマーズへキミたちを案内しているのだ」

エイリアンはカナの不安を察しているのだろう。カナはそれでも不安におびえている。

「私たちを無事に地球へ帰してくれるんですね」ミナが初めて声に出して言った。

「もちろんだ。心配いらない」

ミナは少し安心してカナの方を見た。

「カナ、信じましょう」

「ミナの教え子に悪いことはしない。私たちを信じなさい」

「ありがとう」ミナはエイリアンの背中に向けて言った。それにしても、この乗り物はどの空間を飛んでいるのだろう。窓の向こうはかつて経験したことのない空間が存在しているようだ。ミナはカナに見えるよう腕時計を示した。カナに伝わったのだろう、ミナの方に腕を向けた。二人の時計は午後3時16分で停まっている。この乗り物に乗せられてから、地球時間でどれくらいの時間がたったか分からない。

「まもなく、マーズの上空へ出る。足下の床からモニターカメラを出して、その画像を映し出すから」

「もう、マーズへ?」

「地球人の乗り物とは違う」

エイリアンの返事が来たのと同時に、床から四角な物が上がって来て膝の上あたりで止まった。

エイリアンが言うとおり、球形をした赤茶色の星が画面に映しだされた。赤茶色の大地がどんどん近づいてくる。カナも上がって来た自分の前の画面を見つめている。

「地球人が送り込んだロボットを見せてあげよう」

To Be Continued

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