2014/10/10

帰国

そうか、早乙女さんは武蔵野の両親の下へ帰るところだったんだ。

ミナからのメールを読んだ春利は、やはり彼女にはリモートビューイングの能力があることを確信した。僕の心の内まで読みとることが出来る。それに、エイリアンに拉致されたらしいというミナの生徒が、アメリカ留学から戻った精神科医に催眠を試みてもらったところ、彼らの乗り物に乗せられたが、母船とのやり取りで何もしないで戻されていたことが分かったという。それを知って春利は胸をなでおろした。

春利が返信メールを書こうとした時、パソコンが唸りだした。急いで側のヘッドフォンを取り出して挿し込み耳に持っていった。父荘太の顔が画面に映しだされた。

「年末年始は戻らないのかい?」

「うん、メールしようと思っていたんだけど、会社にはまだ言ってないんだけど、2月いっぱいで辞めて日本へ戻るんだと、交通費ももったいないから。準備もしないといけないし」

「いろいろと忙しいね。私は今まで何もしてあげられなかったから。こちらへ戻ったら、ここに住んでも良いんだよ」

「ありがとう父さん。上海支店長に話して、正式に決まったらまた連絡するから」

「私の出来る範囲で、出来るだけのことはするから」

「ありがとう。その後どうするか。僕なりに考えているから」
すっかり薄くなった白髪頭の父が頷く顔を見て、心配かけてはいけないと春利は思う。

そうだ、早乙女さんに返事を送らないと。

To Be Continued

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