2014/09/05

世界の秘密

10月下旬だった。

桑田荘太は諏訪に生まれたが、一度も行ったことがない皆神山のことが頭にあった。春利が上海へ行った後、寒くなる前に行こうと思い立った。ネットで動画を観ていると、そこには地球と宇宙をつなぐ秘密が隠されているのではないかと思った。膝の痛みがひどくなり、姉のように歩けなくなってからでは遅い。

ネットでアクセスや地理状況を調べ、桑田はその日朝早く家を出た。

長野まで新幹線で行き、長野から松代へバスで行った。駅を背にして立つと、雲のような薄い靄のかかった皆神山が見える。標高659メートルとあったが、頂上が尖っているのではなく台形のような姿で、周囲の風景とはどこか違っている感じがする。

駅から少し歩き、松代観光物産館で自転車を借りた。眺めると近いようだが、歩くと1時間位かかるとあったので、初めての地で途中具合が悪くなったら困ると思いレンタサイクルにした。車でも上まで行けるが、自転車だと30分だという。

県道35号線を自転車で行くと、高校時代片道30分以上かけて自転車で通ったことを思い出した。背中のリュックサックにはおにぎり2個とペットボトルが入っている。

車の往来は少なく、自転車をこぐのに頃合いの気温だった。やがて、県道沿いに「皆神神社ピラミッド参道入口」という立て看板が見えた。その辺りから人家も少なくなり、稲刈りのすんだ田んぼを見ながら進んでいった。

山道になり、車一台が何とか通れるくらいの道幅だが、片側の石垣の周囲から草木が生え、反対側は松や杉の木立がつづく。道はなだらかに傾斜し蛇行しているように見えるが、ペダルを踏む桑田の足が次第に重くなる。後ろからも前からも車は現れない。

と、道の脇に丸太を並べた登山道のような階段があるのに気付いた。こぐのも疲れた桑田はそこで自転車をおりた。

岩戸神社。

To Be Continued

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