2014/02/23

別の空間

「ええ。わたしたち二人は、あのとき、福島の海に近いところに居たんです」

「あの大地震の津波・・」

「そうです。あの、津波にさらわれて」ミナは言葉がやってきた来未の方を見た。

「じゃあ、あの津波で・・」

「そうです。わたしたちは、この世界へやって来たのです」春海の言葉だった。

その時ミナは、そのままこの世界にいて良いものか、戻れなくなったらどうしよう、という意識でいっぱいになった。

「私は、この辺で」ミナはそう言うのが精いっぱいだった。

次の瞬間、ミナは公園のベンチにいた。とても悪いことをしたような気持だった。茶色の馬の遊具に幼児を乗せようと若い母親が抱き上げていた。ミナからは馬は横を向いて設置されていたから横向きだった。が、その時幼児がミナの方を向いた。

ミナは、ぼんやり見ていたが、男の子がまだ見ているので、軽く手を振った。

気づいた母親もミナの方を向いた。ミナが頭を下げると、母親の顔に笑みが浮かんだ。どこかにあどけなさが残っていた。

ミナは立ち上がり公園を後にした。あの二人の女性は、東日本大震災の津波にのまれて亡くなったんだ。私はその人たちに出会った。私は、どの空間に行ったのだろう。分からない。ミナはそうつぶやき、かぶりを振った。

立ち止り、自動販売機で小サイズのペットボトルを買った。冷たい緑茶が口内に流れ込んだ時、いくぶん気持ちが落ち着いた。あの二人は津波で亡くなった。エイリアンが夜中に突然フィンランドの若者の家にやってきたという話を思い出した。小さなグレイの種のようなエイリアンだったらしい。

スマートフォンを少し大きくしたような物に未来と過去を映し出して見せたという。その時見た未来の災難がその後その通りになったという。彼らエイリアンには、時間という概念がない。現在・過去・未来は同じ一点にあると、フリーエネルギーの日本人研究者が言っていた。

彼らなら、東日本大震災と大津波が起きることを知っていたに違いない。

To Be Continued

Sponsored Links