2014/02/11

フェイスブック

「元気そうね」

「まあね。なんとかやってますよ。それで、あの、アイは?」

「うん、元気よ。今、この下にいる。アイ!」

「じゃあ、カメラをオンにして見せてよ。こちらの映像はそちらに映っていると思うけど、そちらは入れてないでしょ」

「ちょっと待って、今やってみるから」

「それだと、天井が映っているよ」

「このカメラ、うまく固定しないのよね」

「そうか、僕のは内蔵されてるけど、それは外付けなんだね。あっ、今映ったけど、それだと首から下しか映っていないよ」移動するカメラにサト子の半そで姿が見えた。そうか、彼女のいるとこは沖縄より少し南だったから、冬でも暖かだったんだ。

「そちらは寒いでしょう」画面に納まったサト子の顔が少し緊張している。サト子の郷里は岩手だったから寒さは知っているだろう。

「寒いよ。この格好見れば分かるでしょう」桑田は室内なのにガスストーブを消し、15年も前に買った黄色のジャンパーを着ている。エアコンの風は嫌いだし、電気量もかさむのでコタツのみで、出来るだけほかのものは点けないようにしている。

サト子は何か言いたげだったが、黙って画面を眺めている。

「それで、アイは?」

「アイ! 桑田さんが会いたいんだって」サト子が足元からラグドールを腕に抱えてパソコンの前においた。

「アイ!」桑田は呼んでから、そうかヘッドフォンを当てないと聞こえないんだ、と思う。サト子のパソコンはイヤフォンなしでも聞こえるはずだけど、桑田の声が外に出ない方が良いのかもしれない。ロバートはまだいるのかもしれない。土日もパソコンの習得で出かけていると言っていたが。

「もうずいぶん大きいじゃない」
豊かなヘアで被われたアイは、ぼんやりしたブルーアイを横へ向けたまま下へ降りようとしてサト子に戻されている。

「そうよ、もう不妊手術もしたし」

「もうしたんだ」

To Be Continued

Sponsored Links