2013/11/19

上海中山公園

木曜の夜に上海に戻った春利は、その夜はシャワーを浴び、9時過ぎにベッドに入った。蒸し暑かったので、一時間余り除湿をかけておいたが、眠りに落ちる前にエアコンを切った。翌日から仕事だったが、一日働けば二日休みがあると思うと救われた。

ぐっすり眠れて寝覚めも良かった。出勤時間まで充分時間があった。日本で買ってきたチーズハムのパンがコーヒーとマッチして美味しかった。

いつものように公寓から駅まで歩き、中山公園で地下鉄2号線に乗った。空いていたプラスチック製の椅子に腰掛けた。クーラーは効いていた。両隣の席とも中国人男性で春利とそんなに年が違わないようだった。

「あいでみ」来未の声が頭のどこかから聞こえてきた。
思い詰めてもどうにもならない。自らに言い聞かせた。

東京駅で会った来未の姉・石橋梨花の顔が浮かんできた。
前日の朝、中野の叔母の家を後にして東京で新幹線に乗り換えた。車中で叔母が持たせてくれた弁当を食べた。
上海に転勤してまだ半年たっていなかった。名古屋駅から会社まで歩く道のりが長く感じられた。

先に安藤課長に手土産を渡した。「ご苦労様」と言ってくれた。仕事中だったが、来未のことでいろいろ気遣い連絡してくれた吉田沙希にも上海のチョコレートを手渡し礼を言った。沙希は、申し訳なさそうに受け取り、深く頭を下げた。同じ課の後輩・佐野は営業で出払っていたので、沙希に預けた。

電車は間違いなく春利が勤務する会社の下車駅・世紀大道に向かって走っていた。


To Be Continued


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