2013/08/25

石橋梨花と

春利が目覚めたのは8時過ぎだった。上海では休みの日以外はこのところ6時には起きていた。
疲れがたまっていたんだとつぶやいた。叔母の家であることと叔母の夫が良い人だったことで安心してゆっくり休めたのかもしれなかった。

朝食の用意も出来ている、と叔母が言った。叔母の夫は、もう出かけたという。月曜日だったことを思い出した。

9時過ぎには家を出るが、夜は泊めてもらうことになっていた。叔母には来未のことも、これから誰と会うかも知らせてなかった。

石橋梨花との約束は、11時に東京駅「銀の鈴」前で会うことになっていた。

春利は、福島から届いた梨花からの手紙を読み、二日後に上海から福島の住所に手紙を出した。手紙の最後に、メールアドレスと電話番号を記したが、日本と上海間ではメールの方がベターかも、と付記した。

10日余りたったとき、梨花からメールが入った。国内だったら休みを利用して適当な場所ですぐに会うこともできたかもしれなかったが、そうもいかなかった。

メールで、「銀の鈴」で11時を提案してきたのは、梨花の方だった。震災後の交通事情がどうなっているのかは春利にはまったく分からなかった。

春利は中野の叔母の家を出ると、JR中野駅へ向かった。駅までは徒歩で10分ほどだった。

東京駅地下一階ですぐ分かると思う、というメールの文が春利の頭をめぐっていた。

電車はすぐに来た。5か月前上海に発つとき日本の携帯電話は解約したので、今回日本国内で使うため上海でプリペイドケータイを購入した。メールで梨花の携帯番号は訊いてあった。乗客はほとんど日本人。ここは日本なんだ、と自らに念をおした。


To Be Continued

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