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2020/05/30

地球人

ベッドから出て南側の窓に行くと、荘太はカーテンを30センチほど開けた。

透明ガラスの向こうは、点在する常夜灯の光を包み込むように暗闇が覆っていた。

さらにカーテンを開け、上空を見上げた。

薄墨色の雲で覆われてい上空に星の光は見当たらなかった。

「誰か知らせてきた?」荘太は声に出して呟いた。

ETさんだとすれば、私の思いが届いているかもしれない・・。

若い頃に漠然と懐いていた神のイメージが、荘太の中で現実味を帯びていた。

かつて荘太が学んだ旧約聖書では、

「神は、御自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された。男と女に創造された」と。

神と人の姿が似ているというのはおかしいという科学者がいたが、荘太は、長いこと人が神と思っていた存在が、人間よりはるかに知性が進んだETだと思うことにより、ある意味腑に落ちるようになった。さらにその上の神が存在するかどうかは分からないが、あらゆる面で人の能力を超えているETに遭遇した大昔の人間が、その存在を、神と呼ぶようになったとしてもおかしくはなかった。

と、次の瞬間、薄墨色の雲の間から別な何かが現れた。その物体の姿が真っ黒だったら気づかなかったが、完全に雲の下へやって来た時、コバルトブルーの縁取りがしっかりと確認できた。巨大な三角形。

荘太は、両眼をこすった。乱視の眼がさらに悪くなったのかもしれない。メガネを取りに行こうかと思ったが、その時、荘太の頭の中に人の声に近いような音が響き渡った。

To Be Continued

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