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2019/04/24

アマツクニ

「ただ、宇宙に存在する彼らの中のある種が、人間と平和的にかかわっていきたいと思っている」

「ミナさんには、それが人間が何と呼んでいる種族か見当がついている・・」

「いえ、沢さん、私にも分からないわ。それに、彼ら同士の関係も人が思っているのとは、違うかもしれない」

「ミナさん、それはどういうことですか?」今度は梨花が質問した。

「もしかするとだけれど、彼ら種族の間でも牽制しあっていたり、途中から手を引いたりしているのかもしれない」

「ということは、ミナさん、僕らを宇宙に連れて行こうとしていた種も手を引いたとか?」

「そのことについても、可能性があるかもしれない。でも、ほんとうのところは分からない」

「それってミナさん、これまでミナさんにコンタクトしてきていた種より、もっと高度な知的生命体の種がやってきているとか」

「可能性はあると思うわ。現在でも、たまたま宇宙航行していた別の種が地球に立ち寄り、特定の地球人とコンタクトを取った。その地球人がある希望を伝え、相手の知的生命体ががそれを聞き入れたとか」

「その地球人は、一般人ではなくて特定の国の代表だったとか、彼らの遺伝子を受け継いでいたとか」と梨花。

「ミナさん、ますます分からなくなってきましたね。しかし、これまで、僕やミナさんに関与してきた神とかETと思われる存在には、共通の種が関与してきていたように思われるけど」

「そうね。でも、実際には宇宙においてさらにその上の存在にコントロールされていたかもしれないし」

「地球の人種間でもそうだから、宇宙では・・」

「梨花さん、確かに。僕が遭遇した存在でも、4本指の知的生き物もいたし、僕らと同じ5本指の存在もいたけど、姿形は我々と極端に違ってはいなかった。しかし、宇宙においてどの種が知的に高度で上位の存在であるかは分からない」

「そうね。人間には見えない存在も考えられるし」

「ほんとうに、限りなく広がっていくわ」梨花がそう言って宙を見つめた。

To Be Continued

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2019/04/23

アマツクニ

「何か見えたんですか?」梨花はミナの眼に注視した。

「ええ、窓からとても長い物体が見えたわ。雲の合間に」

「じゃあ、ほかの乗客にも見えたかもしれませんね」春利が神妙な表情で言った。

「でも、あれだと余程注意して、それに、関心がない人の目にはそれだと分からないのではないかと思うわ」

「ミナさん。それは、細長い雲のようだったということですか?それとも何か・・」

「梨花さんは、よく葉巻型UFOと言われる物体を上空に見たことがある?」

「いえ。わたし、それって、もしかしてミナさんだけに見えるような方法を取ったのではないかと思ったんです」

「梨花さんもすごいことを言いますね。ミナさん、どうでした?」

「確かに、雲のようだと言われればそうかもしれないけど、半透明というか、肉眼では見る角度によっては見えないかもしれないわね」

「ということは、やはり、ミナさんだから見えた、というか、先方はそれを想定して現れた」

「その区別は断定できないけれど、私には、人間がつくったマシンではないことが分かったわ」

「ということは、彼らはミナさんが卑弥呼の墓を見に行ったことに関心を持っていることになるかも・・」

「私も、それは卑弥呼に関係がある宇宙船ではないかと」

「梨花さんがいうのは、同じETの種族という意味かな?」

「私も、無関係だとは思わないわ。沢さんは?」

「僕は、これまで自分に起こったさまざまなことを思うと、分からないことが多い」

「たとえば?」梨花は真剣な眼差しで春利を見た。

「ミナさんには分かっているかもしれないけど、これまで僕に起こったさまざまなことは、現実だったのか、そうだとしても、どの種によって起こされて来たのか。同一の種によるものなのか、それとも別々の種によるのか・・」

「沢さん。ほんとうのところ、わたしにも分からないわ。彼らは人間を遥かに超えているから。たとえば、人が彼らに初めて遭遇した時、彼らは自らを“神”と名乗りはしなかったでしょう。後から人間が呼び名を付け、彼らも人間がそう呼んでいると知り、対応するようになった。だから、国と時代により、あるいは地域により、それぞれ呼び名も違っていたと」

「さすがにミナさんは僕より洞察が鋭い。やっぱり、僕らに関与している存在のことは分からない。彼らのふだんいる宇宙や星や次元や、分からないことだらけだな」

「そうね。星の呼び名だって、地球世界の国によっても違うし、彼らが何て呼んでるかも分からないし、第一見えている星だって、ぜんぜん違うんじゃないかしら」

「確かに、人間が見える形の星座も、宇宙を航行している彼らにはまったく違っているだろうね。それに、人間が見えない空間が加わったら、もうお手上げだ」

To Be Continued

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2019/04/17

アマツクニ

「僕は、現在もだけど、夏休み中に彼らが来るかもしれないと、気になっていないと言ったら嘘になる」

「それは、私だって」

「梨花さんもとうとうこの世界に来てしまったわね」

「わたし、沢さんやミナさんに出会ったことは、何か運命的なものを感じるわ」

学校は、小中学校とも8月下旬からすでに始まっていたが、春利の塾は9月から始まるため、ミナと梨花は準備も兼ねて立ち寄っていた。

「ミナさん、その後、神社めぐりは続いていますか?」ちょっと出かけてくるとは聞いていたが、行く先を言わなかったミナに春利は話を振った。

「ええ、徳島の八倉比売神社に行ってきたわ」

「ヤクラヒメジンジャって、卑弥呼のお墓があるって言われている所ですか?」

「梨花さん、良く知ってますね」

「沢さんも知っていたの?」と、ミナ。

「いや、僕はネットのビデオで観たことを今思い出したくらいです。梨花さんのように卑弥呼の名はすぐに浮かんでこなかった。ところで、空飛ぶマシンや瞬間移動で行って来たとか・・」

「いえ、今回は羽田から飛行機で徳島阿波おどり空港へ。帰りも」

梨花がミナの眼を覗き込むようにして、
「それで、何か特別なことが起こりました?」

「それが、見えるとか聞こえるとかはしなかった。現地では・・」

「ということは?」

「私が行っている間に、沢さんには何か見えました?」

「いえ、何も」

「帰りの飛行機の窓から・・」

To Be Continued

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2019/04/05

アマツクニ

暗くなる前にミナは羽田行きの飛行機に乗れた。

帰りは八倉比売神社に黒のワゴン車で参拝に来た人が徳島駅まで送ってくれた。夫の運転で夫婦で来たと言っていたが、妻の方が声をかけてくれた。数年前、なぜか東京から転居してきたが、時間が取れたので初めて来たのだという。

「卑弥呼って誰かしら?」
飛行機が離陸した時、妻の方が発した言葉が浮かんできた。黒のワゴン車を運転していた夫は50代に見えたが、妻の方はミナより4、5歳年上だと思われた。神社はいくつか回っているが、このところ卑弥呼のことが気になったという。夫の方はときどき笑みを浮かべて頷いていたが、そのことには特に注釈しなかった。

天照大御神は一人ではなかったということも動画で観たことがあるという。卑弥呼と天照大御神が同一だという前提で話はつづいた。

天孫降臨、という単語は夫の方から発せられた。ミナは相槌を打ちながら次に飛び出す言葉を待った。

イナンナとかETという言葉が出たら、自らの思いを言おうと準備していた。そうこうしていると、徳島駅に着いたので、ミナは心を込めて礼を言い、車を降りた。

卑弥呼が神と言われる存在であったのなら、ずっと以前から存在していたのではないだろうか。人の寿命単位で区切りをつけた方が自然だったかもしれないし、当時247、248年と連続して起きた日食を原因として、太陽神だった卑弥呼がお隠れになったとしてもおかしくない。

つまり、神と呼ばれるETならば、今日存在していても不思議ではない。東夷伝の記述する位置関係から、かつて徳島に邪馬台国があったとしても受け容れられる。

表舞台から姿を消しても、太陽系のどこかに存在している。

と、その時、窓際の席から外を見たミナの視界に、横長の巨大な円柱状の物体が現れた。雲と思えばそう見えなくもないが、半透明で雲とは違う知的なテクノロジーを思わせるものだった。

To Be Continued

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