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2018/06/17

帰還

「父さん、塾の方は・・」
寝た状態でその朝目を開けた春利が荘太に訊いた。

「大丈夫だよ、春利の後輩や早乙女さんのおかげで無事にまわっているよ」

「良かった。もう無事に戻れないかと思っていた」

「どうだい。気分の方は?」

「うん。今日は、目が回る感じがだいぶ治まり、吐き気も止まった」

「そうか。だめだったら、病院へ行くしかないと思っていたが」

「この分だと何とか。僕は、どれくらい寝ていた?」

「戻ってから3日目だよ」

「何か、お粥とか食べられそうかい?」

「うん、少しだけ食べてみようかな」

「そう思って用意してあるよ」
荘太は春利に消毒用のおしぼりを2つ渡し、台所へ行った。

春利は布団の上で上体を起こし、水でいくどもうがいし、
自らスプーンで粥をゆっくりと口に運んだ。

「良かった。半年ぶりだね。応えたくなかったら無理することはないけど、
あの夜、戻った時のこと、憶えているかい?」

「憶えている」

「無理に記憶を手繰り寄せなくていいよ。食べる方も少しずつにして」

「向こうにいるときも乗り物の中でも、人間用の宇宙食みたいなのをもらっていたから・・。
あのとき、バルコニーに降ろされ、窓が閉まっていて入れないかと思ったよ。
目が回り立っているのがやっとだった」

「大変な経験をしたね。無理して一度に話さなくても良いよ」

「うん。父さん、緑茶もらえるかな?」

「OK」

To Be Continued

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2018/06/11

帰還

荘太の腕に、痩せて髭の生えた春利の身体が半ば倒れ込んできた。

「春利、大丈夫か・・」

荘太は春利の身体を引きずってソファまで運んだ。

「春利、い、今着いたのか?」

「そう・・」春利が絞り出すように応えた。

「救急車を呼ぼうか?」

「いや、しばらく休めば・・」

「じゃあ、ベッドへ・・」

「このままで。父さん水を」

荘太が持ってきたコップから、春利は一口、また一口とゆっくり飲むと、
そのまま目を閉じた。

荘太のスマホにラインでメッセージが入ったのは、夜の10時半過ぎだった。

ミナが、春利が戻ったことを知り様子をたずねてきた。

電話よりはこの方が良いと思って、と初めに記されていた。

「入院しなくても良いにせよ、授業はしばらく無理だと思うわ」

「明日、タクシーで私の家に連れて行き休ませようと思う」

「じゃあ、私が教室の方へ行くから、お父さまは塾に戻らないで春利さんを」

「ありがとうございます。じゃあ、そうさせていただきます」

To Be Continued

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2018/06/01

帰還

その日は祝日だったため、夕方からの中学生の授業は生徒たちの希望を入れ、
午後の早い時間で終了した。

生徒や講師が帰った後、荘太は近くのスーパーで買い物をして来た。

夕食は手間がかからない暖かいうどんで済まそうと思った。

いつもだと食後に風呂に入ったが、その日は先に風呂に入った。

野菜を多めに入れ、玉子と牡蠣を加えた。
うどんにするときは、味噌と酢で味付けした。

片づけを終え、ソファでテレビニュースを観ているうちに、荘太はいつの間にか眠りにおちた。
次のドラマが始まり、サイレン音で半ば目覚めた荘太は、リモコンの電源ボタンを切った。

どれくらい眠り込んでいただろうか。

コンコン・・

窓ガラスがノックされる音を遠くの方で聞いていたが、目を開けて立ち上がった。

カーテンの端を少しめくり、そこに何かの気配を感じた。

窓越しにかすかな人の声を聞き、思い切ってカーテンを開けた。

目と目が合った。頬が痩せ、立っているのがやっとの感じに見えた。

ガラスの向こうに立っているのは、間違いなく春利だった。

荘太は震える手でロックを解除した。

室内からの光が春利の全身を照らし出した。

「は、はるとし・・」

To Be Continued

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