FC2ブログ
2018/04/14

父子の絆

桑田荘太は小田急電車のつり革につかまっていた。

春利が居なくなってから、荘太は春利の家に泊まる日が多くなった。
頭の中はいつも春利のことが気がかりだったが、週に一度は自宅に戻り、
問題はないか確認した。
新聞の契約は解除したが、電気・ガス・水道はそのままだった。

あと10日もすれば、7月に入る。夏期講習の準備もしなければならなかった。
塾の方はなんとかなっても、春利がいつ戻るか、
ほんとうに帰ってくるかが気になり、眠れない日も多かった。

町田駅を告げる車内アナウンスが流れた。
小田急からJRに乗り換え、次は新横浜で市営地下鉄に乗り換える。
昼食は塾の近くで食べようと思う。

それにしても、春利が居なくなってから3カ月になる。
市営地下鉄の席に座り、向かいの席に座っている背広姿の男性を見た。
スマホで何かをチェックしている様子だ。
年齢は春利と同じくらいだろうか?

離婚してから、長いこと会っていなかったが、春利は私を探してくれていた。
5歳だった春利が、りっぱに成長し、私の前に現れた。
妻のさなえは病死したが、春利は私をたずねて・・。

しかし、上海から戻った春利は、会社を辞め学習塾を始めた。
3年間無事にやってこられたのに、とつぜん行方不明になってしまった。・・

車内放送が遠くの方で聞こえた。
「あっ!」
意識が戻った時、荘太は下車駅を過ぎてしまったことに気付いた。

To Be Continued

Sponsored Links
2018/04/03

希望

「早乙女さんもミッション系の大学で教えていたようだけど、
私やサト子さんもキリスト教の方だけど、神社もお寺も教会も、
元は一つではないかと、早乙女さんも思っているのかもしれない」

「わたしは良くわからないけど、その早乙女さんは、神社で何かを追及している?」

「そうだと思う。神とETの関係というか・・」

「桑田さんはどう思っているの?」

「電話では長くなってしまうから」

「神さまって、ETなの?」

「聖書には、神の形に似せて人をつくった、とあるよね。
つまり、キリスト教の神は、人を見れば神の姿が想像できる。能力は天と地の差があっても」

「私はまだ会ったことがないから、分からないけど。
ロバートは、ETにもいろいろな種類があるって言ってるわ」

「そうだろうね。アメリカの外科医出身で、ディスクロージャー・プロジェクトを始めた人が、
50%以上が人間に似ているって言ってるね」

「でも、突然目の前にあらわれたら、どうしよう?」

「小柄で眼の大きなグレイタイプであっても、現れたら、やはり怖いし、おびえると思うね」

「そうね。言葉が出ないと思うわ。でも、そのETと神さまとはどう違うの?」

「人が信仰している神さまにもいろいろあるよね。思うに、
天孫降臨を直接目撃した人や現れたある存在が病気を治してくれたり、
夢に現れて何かを告げた存在、というように、一番最初の体験者がいて、
結果としてそこから信仰の対象となる神のようなものが生まれたのではないかと」

「・・・」

「だから、人が出会ったETにより、信仰の対象が違った姿で描かれる、というか」

「狐の神さまとか・・」

「そう。さまざまだよね」

To Be Continued

Sponsored Links