2017/04/27

縄文人のDNA

「さあ、着いたよカナ。この外では宇宙服は必要ないからね」

「えっ? それじゃあ地球上と同じってこと・・」

「ほかの太陽系の惑星では必要なこともあるが、ここでは人間が地球同様に生活できるように、環境が整備されているんだ」

「すごい。空気や重力がコントロールされているのね」

「そう。さあ、とにかく降りよう。アルファ、後はたのむよ」

「オーケー、ドクター」

「どうだカナ。呼吸も重力も問題ないだろう」

「ほんとうだ。なにか、地球の地下駐車場みたいだわ」

「そうだね。この向こうに、移動するマシンがあるから、それであちこち案内しよう。地球の地上とはだいぶ違うと思うが」

「地球と同じような乗り物なの?」

「いや、カナはもう分かっているかもしれないが、ここでは、あの、テスラのフリーエネルギーを利用しているんだ」

「浮遊して移動するってこと?」

「そう、ディスク型の・・」

「円盤型の乗物が宙に浮いて移動する」

「そう」

「空中衝突しない?」

「マシンが自動的に探知してそうならないように移動するから。それに、ここでは住人の数がそんなに多くはないし」

「そういうことなのね」

To Be Continued

Sponsored Links
2017/04/18

縄文人のDNA

「パパ、このマシンは別の空間へ入り、瞬間移動するの?」

「うん、でも直ぐだからね」真佐雄は前方の計器の方に手を伸ばしながら言った。

「地球でロケットを飛ばしている人たちも、こんなマシンに乗ったことあるのかなあ?」

「中にはそうした人もいるかもしれない」

「私は、パパには言わなかったけど、子供の頃、UFOって言われていたものを見てから、この世界を知るようになり、幽体離脱を知り・・」

「離脱のことは分かっていたけど、カナが子供の頃にUFOを見ていたことは初めて聞いたな」

「そう、ママの郷里の熊本の金峰山の上空に」

「そうだったんだ。空飛ぶマシンと言っても、これは違うが、念力のようなものでコントロールできるものもあるんだよ」

「念じればマシンが目的地に向かうものがあることは知ってるわ」

「サスガ、シブエハカセノオジョウサン」

「アルファ、もうそろそろかな」

「イエス。オジョウサン、チキュウジカンデ、アト、サンジュウビョウ・・カセイデスヨ」

「もう、火星」

「さあ。どこに着くと思う? カナ・・」

「地上ではないってこと?」

「サスガ、オジョウサン」

To Be Continued

Sponsored Links
2017/04/15

縄文人のDNA

カナは、しばらくぼんやり上空を眺めていたが、首が疲れて下を向いた。カナの前をコート姿の女学生が2人何か話しながら通り過ぎて行った。京都にいたときとは違い、9月から10月にかけて気温が急激に下がり雪が降る日もあるが、その日は雲はあっても雪が降るという感じではなかった。

「カナ、そこで居眠りをしたら風邪をひくよ」

「えっ?」コートのポケットに手を入れ、リュックは膝の上にあったが、声が届いたのは頭の中だった。

「わたし、ねむっていた・・」先ほどベンチに掛けていたおばあさんもいつの間にかいなくなっていた。

「バス停には誰もいなくなったし、今がちょうどいい。そこから歩いて前方に葉の多い樹木が並んでいる所があるだろう。その辺りに行ってくれ」

リュックを背負うと、カナは小走りにそちらへ向かった。

言われた樹木の間に立つと、カナの体は上昇していた。上を見たがクラフトの姿はなく、薄くて丸い光のようなものが見えた。

「フィンランドは寒いだろう」

「そう。夏以外は京都よりはだいぶ」カナはちらっとクラフトの室内を見回し、スペーススーツに被われた父と目を合わせた。

「リュックをそこへ下ろし、そこへ掛けて」

カナが言われたボックスへリュックを入れると、自動で蓋が閉まった。カナは父の横に座っているもう一人のちょっと様子が違うひとに会釈して、父の後ろの席に座った。賀茂川の歩道でアブダクションされた記憶が一瞬よみがえった。

「座ったら先ずベルトを締めて。後はスペーススーツが自動で身体を包むようになっているから」

「ベルトは締めたわ。あっ、すごい。私の身体を宇宙服みたいなのが包んでゆく」

「オジョウサン スゴイデショウ」

「じゃあ、準備が出来たようだね。では、火星へ」

To Be Continued

Sponsored Links
2017/04/11

縄文人のDNA

カナは、グレイトスクエアを通り、Porthaninpuistoへ着いた。広い公園のシンボルなのか古めかしい坐像がある。ベンチが周囲に円形に並んでいる。ーHENRICO GABRIELI PORTHANー カナは坐像の下の文字を追った。高齢のおばあさんが二人、リラックスした表情で掛けている。

「近い公園と言ったらここになるけど」カナは内心で呟き上空を見上げた。常緑樹の葉が空の一部を遮っている。リュックをベンチにおろし、昼食をすませてきたが火星では食べ物があるのか気にかかる。

「大丈夫だよ。カナが食べるものは私が用意してあるから」

「えっ? パパもう来たの」

「ああ。そこだと近くのバス停に人が大勢いるから、もう少し待つよ」

「でも、この時間だとだれか見ているよ」

「だいじょうぶ。クラフトが見えないようにするから」

「じゃあ、わたし、大丈夫?」

「心配ないよ。上空から場所を指定するから」

「でも、私が空へ上がって行ったら、見られない?」

「上空からだとどこに誰がいるか確認できるから、タイミングを見て案内するよ。このクラフトの音はほとんど聞こえないだろうし、樹木で見えない場所を選ぶから」

「じゃあ、私は、ここに掛けていて良いのね」

「OK」

To Be Continued

Sponsored Links
2017/04/05

縄文人のDNA

フィンランドの大学に留学した渋江カナは、2度目の秋休みを迎えた。京都の大学にいたときにはなかった休みだが、1週間ある。夏休みには母のいる京都に帰ったが、講師のミナから届いたメールで忙しそうだったので、母のところに1週間ほどいて、ミナには会わずに戻った。夏休みの後半は、フィンランド語とスウェーデン語の学習をしながら、教会でボランティアをした。

秋休みに入った日の昼前に父から連絡が入った。父の連絡はいつも脳内に直接働きかける方法だった。

「カナ、しばらく休みがあるのなら、迎えに行くからこちらへ来てみないか?」

「こちらってアメリカ?」

「いや、火星」

「パパ、アメリカかと思ったら、今、火星にいるの?」

「そう。大学に籍を置いてるけど、ちょっと研究していることがあって、火星に来ているんだ。この間、良治も金星から来たんだよ。もう帰ったけど」

「そうだったの。それで、わたし、どうやって火星に行くの?」

「迎えに行くよ」

「スペースクラフトで」

「そう。これから行ってもいいかい?」

「いいけど。わたしのアパートメントの上空へくるの?」

「いや、近くの公園。人目を避けて、雲の陰から合図するよ」

「分かった」

To Be Continued

Sponsored Links