2016/05/24

返信も応答も

二人はきれいに舗装された石の階段を下り、両側に芝生のある中央広場を歩いていた。左手には陸上競技場、右手には巨大な円形の競技場がそびえている。前方の高架橋を車が移動して行く。

「ほんとうに広い公園ね」

「この位置からでは、どれくらい広いか見えないほど広いですよ」

「ほんとうに、いろんな設備がありそうな感じね」梨花はコンクリートの床に打ちつける音が響き渡るスケボー広場の方に眼をやっている。

「左側はバスケットボール広場ですよ」

「あっ、ほんとうだ。この時間でもやっているのね」

「学校も休み中だから、いろんなところからやって来ているんじゃないかな。ここは向こうの鶴見川の遊水地を利用した公園だけど、上を新横浜元石川線高架道路が通っているので、その下を有効活用しているんだね。雨の日も出来るし」

「ほんとうね。これだけスペースがあれば」二人は高架橋の下まで来ていた。

「それで、沢さんがいうUFOというか、マリア様の空飛ぶ乗り物が現れたというのは?」

「その草地広場の向こうに、あの池とは別の長池があって、公園の周囲を巡っている道路の側のベンチから」

「池がいくつもあるのね」春利は頷き、目の前の建物を指さした。

「きれいなおトイレみたいだから私も」背後のスケボー広場から側壁に乗り上げるすさまじい衝撃音が続く。周回道路を猛スピードで走り去るランナーを横目で追いながら、春利は男子トイレへ向かった。

「芝生がいっぱいで素敵ね」待っていた春利の側に来た梨花はそう言って上空を見上げた。

「もう、太陽が・・」だいぶ西の空に傾いた陽を二人は眼で追った。

「冬は日の入りが早いから」

それを聞き、春利はふいにファティマの太陽の奇跡のことが頭に浮かんだ。

To Be Continued

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2016/05/20

返信も応答も(ET&Human being & Mixture)

「早乙女さんがその一人だとは簡単に言えないけど、一般人よりは多くのことが見えたり感じたり出来るのではないかと思う」

「超能力。わたし、これまでそうしたことは特別に考えたこともなかったけど、それは発見というか、多くの人が見過ごしてきたことかもしれないわね」

「歴史上の特異な人物の中には、明らかに一般人とは違っている人がいるのかもしれない」

「たとえば?」

「ネット上でリサーチャーがふれている、レオナルド・ダ・ヴィンチ」

「どんな風に違っているの?」

「骨格や眼や、飛行機が発明される500年も前に、イタリアのある地方を上空から俯瞰した絵というか写真とも思われる精緻なものを残している。それは当時、空飛ぶ乗り物に乗った者でないと出来ないことだと」

「それは、すごいことだわね」

「リサーチャーは、残されているデッサンというか、絵の中に、ダ・ヴィンチ自身と親しかった存在が描かれていて・・」

「親しかった存在って?」

「コーンヘッドとか長頭人間と言われる存在で、現在も世界中に存在するけれど、人間より、はるかに進んだ知識を持っていて、研究者によれば、頭蓋骨とか明らかに人とは一線を画す部分があることが分かっていると」

「そのことについては、私も少しだけ聞いたことがある。日本にも七福神の中にいるとか、烏帽子をかぶった人の中にいたとか」

「そうだね。リサーチャーは、埴輪もETだったと断定している」

「興味深いことだわね。私たちの中にも、少しずつ遺伝子が入っているのかなあ」

「外見部分と眼には見えない細胞部分と、少しずつ混血してきているのだろうか。彼らによる遺伝子操作かもしれないけれど」

「早乙女さんは、外見的には何か?」

「まったく変わっていないと思うけど。6本指とか瞬膜があるとか、瞳が縦に1本とか、そういうのはないけれど、透視というか・・」

「リモートビューイング」

「そう」

To Be Continued

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2016/05/14

返信も応答も

「ええ」

「沢さん、心当たりは?」

「太陽系の惑星」

「じゃあ、火星とか金星とか?」

「もしかするとだけど」

「もしかするとって・・」

「学校の教科書で習っていない・・」

「習っていないって?」

「惑星エックス」

「それ、私ネットで観たけど、太陽系の10番目の」

「もしかするとだけど、太陽系には、ニビルっていうすごく長い楕円形軌道を描いている伝説上の惑星があるって、古代宇宙飛行士説を唱えるゼカリア・シッチンが言ってたけど、一般には似非科学というか、地球の科学者たちからは相手にされていないけど、人間の科学を超えていれば、人間には信じられなくても当然かもしれない」

「で、沢さんは、そのニビルって星へ早乙女さんが行ったのではないかと」

「もしかするとだけど、太陽に近い惑星からだったら、早乙女さんだったら、何らかの方法で知らせて来るんではないかと勝手に思っているんだけど」

「どの星へ行ってもいいけれど、無事に戻って来てくれれば」

「そうだね。僕は早乙女さんが必ず帰ってくることを信じて待とうと思っている。あの人には、一般人にはないものがあると思うから」

「沢さん、それは、早乙女さんには超能力のようなものがあるってこと?」

「地球に住んでいるのは、みな同じ人間だとこれまでは思っていたけど、最近は、そうではなくて、彼らとの混合種というか、彼らに近いものを持った人がいるのではないかと思うようになってきて」

「それは、とても興味深いことだわ」 

To Be Continued

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2016/05/12

返信も応答も

「曖昧だけど、もしかしたら」二人は西ゲート橋の前まで来た。広い歩道の突き当りに巨大なスタジアムが浮かび上がっている。春利はその光景に出合うといつもローマ帝政期に造られた円形闘技場・コロッセウムの写真画像を思い出す。

「沢さん、そのことをもう少し話してくれる。わたし、早乙女さんのことと何か関係がある気がするわ」

「僕が新横浜公園で出合ったことは、梨花さんが聞いたら信じられないかもしれない」

「どうして? あの地震のことを思ったら、わたし、なんでも信じられるかもしれないわ」

「僕は、これから行くあの公園のベンチに座っていて・・」春利と梨花は巨大なスタジアムに沿って舗装されている広い道を歩いていた。二人にとっては、もはやすぐ側にあるスタジアムより公園の方が重要になっていた。

「何が起こったの?」

「あのお方が現れた」

「誰が?」

「我われが、聖母マリアと言っている存在」

「マリア様が、ベンチに座っていた沢さんのところに突然現れたの?」

「上空から」

「空に現れた?」

「そう。あの、乗り物に乗って」

「それ、みんながいうUFOのこと?」

「そう。午後のあの時間、辺りにはほかの人がいなかった。というより、あの方は、そのタイミングを見計らって現れたのだと思う」

「どうして、それが、マリアさまだと分かったの?」

「テレパシーで伝えて来たから」

「で、沢さんのところに降りてきたの?」

「いや、上空から伝えてきた。実は、早乙女さんは、そのマリア様の乗り物に乗っている」

「何ですって! 早乙女さんがそのマリア様の乗り物に乗っているですって!?」

「僕が出遭った後だけど。地球人と彼らとの橋渡しをしてほしいと言われたと・・」

「そうだったの。じゃあ、その乗り物でどこかへ行ったということも考えられるわね」

To Be Continued

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2016/05/08

返信も応答も

小中学校が年末年始の休みに入ったが、ミナからは何の連絡も入らなかった。春利は30日まで塾をやり、年明け3日までを休みにした。

30日の中学生の授業を終えて外に出ようとした時、スマホに着信音があった。

「今大丈夫ですか?」

「ええ。年内の授業も先ほど終わり、これから外に出ようと思っていたところです」

「それで、やはり早乙女さんからは」

「そうなんです。何かあったのではと思うけれど。良ければ、これから出てきますか?」梨花は横浜へ来てスタジアムの辺には一度も行ったことがないので行ってみたいという。梨花の所からの方が時間がかかるが、二人とも地下鉄で行かれるからとそうしようということになった。

先に着いた春利は約束通り、出口で待つことにした。冬場は早く日が暮れるといってもまだ2、3時間は大丈夫だろうと春利は空を見上げた。陽は西に向かっていたが、雲も少なくジャンパー姿の春利は殊更寒さを感じなかった。通りからバスロータリーの向こうに眼をやると、ミナと話したことがある新横浜の駅ビルが見える。発車したばかりの新幹線が移動して行く。

「地下鉄があると便利ね」まもなく現れた梨花は周囲を見回して言った。

「そう言えば福島には地下鉄はなかったですね。僕は、たまたま生まれた横浜と仕事で行った名古屋、それに上海にもありましたから」

「東北だと仙台だけかな。都会だと地下に持っていった方が良いというか、生活するうえで必要なんですね。田舎だと地上に建っている建造物も少ないし」

「そうですね。功罪は何とも言えませんが、突発的な事故がなければ、地下鉄も便利ですね。工事費は大変だろうけど」春利は、スタジアムの方向を指さした。

「わたしサッカーは特に好きというわけではないけれど、こちらへ来てスタジアムのことを良く耳にするようになって」

「僕が父に連れられてきた頃は、国際競技場と呼ばれていたけど、その後日産スタジアムになったんですね。隣接する鶴見川の遊水地を利用した新横浜公園は横浜で一番大きい公園らしいです」

「沢さんも良く来ているんですか?」

「新横浜へ来るときには。駅ビルで早乙女さんと話したことがあるけど、公園では不思議というか、非日常的な体験をしています」

「もしかして、そのことと早乙女さんが関係あるのでは」

To Be Continued

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