2016/01/31

架け橋

春利にメールが入ったのは、9月の第二日曜日の午前中だった。ミナは京都に戻ろうと武蔵野にある生家から駅へ向かって歩いていた時、突然彼らの空飛ぶ乗り物に吸い上げられたが、詳しいことはパソコンのスカイプで話したいと言ってきた。

準備をして発信しようとした時、先にパソコンが唸りだした。パソコンに映し出されたミナの顔はいくぶん青ざめているようにも見える。

「一体どうしたのか、詳しく話してもらえますか?」

「私も突然のことで、急に体が宙に浮いて、気がついた時には、マザーシップの一室にいたんです」

「マザーシップ?」

「ええ、全体像を映して見せてくれたんだけど、10キロもの長さがあり、あの葉巻型の物だったわ」

「10キロ! 良くネット上のビデオで見られるあれ?」

「そう。ほとんど同じものだったわ」

「それで、彼らがミナさんを拉致というか、突然そのマザーシップに連れ込んだわけは?」

「ええ、背の高い金髪で碧い眼の女性のようで、肌は蝋のように白かったわ。彼らの種と人間との架け橋になって欲しいと」

「架け橋?」

「ええ、プアビさんと言って、悪いエイリアンというというより高貴というか徳が感じられたわ」

「プアビさん。どこかで聞いたことがあるような。じゃあ、我われ人間に近い感じの・・」

「確かに違ってはいるけど、北欧人に近いというか」

「詳しいことは分からないけど、そのことを伝えるためにその方はミナさんを選んだわけだ・・。それで、特に危害を加えられることもなく戻されたんですね」

「ええ。帰りは小型の円盤型スペースクラフトで、気がついたら京都の賀茂川の川岸へ降ろされていたのね」

To Be Continued

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2016/01/25

架け橋 マザーシップ

「プアビさん、それでは、このマザーシップにはどれくらいの方が乗ってらっしゃるのですか?」

「あなたなら、多分それがお分かりかと思いますが、ファイブです」

「10キロもの長さのマザーシップにたったの5人だけ?」

「ええ」

「では、このマザーシップをコントロールしているのは・・」

「マニュアルでする部分もありますが、多くはマシンです。テクノロジーと言った方があなた方には分かりやすいでしょうか」

「自動でコントロールできるように造られているんですね」

「ええ。それに、このマザーシップは、地球人の飛行機がたくさんの乗客を乗せて地球上の目的地に運ぶ旅客機とは違います」

「と言いますと?」

「地球の飛行機で言えば、巨大な貨物機ということになるでしょうか」

「では、このマザーシップは何を運ぶために使われているのですか」

「ミナさんは、分かっていて質問しているのだと思いますが、ここは応接室のような所ですが、別のスペースには、地球のみなさんがUFOと呼ぶ大小さまざまなスペースシップやスペースクラフトを積めるようになっています」

「では、プアビさん以外の乗組員の方は、別の操縦席というか、部屋にいらっしゃるんですね」

「そうです。今はそれ以上くわしくお話しできませんが、そのときが来たらお話します」

「わかりました。いろいろ教えていただきありがとうございます。私に出来るかどうか分かりませんが、架け橋の一端が担えるようやってみます」

To Be Continued

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2016/01/22

架け橋 マザーシップ

「わたし、このような、マザーシップに乗るのは初めてですが、どのような形の乗り物なのかとても興味があります」

「このマザーシップはとても大きいので、簡単に中を案内することは出来ませんが、全体像をお見せすることが出来ます」プアビはそういうと、左腕にあるボタンの一つを押した。すると、前方の天井から長方形のテレビ画面のようなものが現れた。

「ここに、全体像が映し出されます。もちろん縮小されていますが」プアビがそう言い終わるときには、褐色の葉巻のような形をした物体が映し出された。

「これは、地球の私たちの単位ではどれくらいですか?」

「マザーシップにはいくつか種類がありますが、これは、10キロくらいです」

「10キロも!?」

「ええ。ほかには、みなさんの太陽系には、地球の3、4倍もあるものもありますが、それ以上のことは、今はまだいえません」

「地球の直径の3、4倍もあるものが存在するというのですね」

「ええ、時期が来たら、ミナさんにはもう少し詳しくお話します」

「それは、地球で造られているわけではありませんね」

「違います。地球では、プレアデス星団とかおうし座とか、あなたの国では、すばると呼ばれている星団の中の星です」

「す、すばる・・」

「はい。地球では、443光年くらいだといわれているかもしれません」

「プアビさんたちの世界では、地球人の間で使われている時間の概念がない?」

「はい。宇宙を行き来するには、その概念は一般には使いませんが、地球時間に換算することはできます」

「地球に生まれて生活している私たちには、とても不思議なことに思われます」

「そうかもしれませんね。でも、私たちは地球の方と話すときには、その違いを意識するようにしています」

To Be Continued

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2016/01/10

架け橋

「プアビさん、架け橋と言いましたけど、どういうことですか?」

「この地球には、あなたもご存じのように、遠い昔から、今日では地球でエイリアンとかETと呼ばれている種が関わっています。複数の種が関わっていますが、すべての種が地球人の望むような形だとは言えないでしょう。それで、あなたがた地球人に姿かたちも似ていて、地球や宇宙の平和を望んでいる私たちが、あなたのように、広い心で受け入れてくれる地球人と交流したいと思っているのです」

「わたしが、その候補に選ばれたというわけですか」

「そうです。私たち地球外から来ている者の中で親しくしているメンバーがいて、あなたなら、広い心で受け止めてくれるのではないかということになったのです。それで今回とつぜんでしたけど、私たちのスペースシップにあなたを招いたのです」

「プアビさん。それでは、これまでわたしとコンタクトを取って来たETの方たちとは知り合いというか」

「直接ではないけれど、交流している方を通じて、あなたのことを知ったのです。サワさんのことも」

「沢さんのことも?」

「ええ。あの方が、マリアさまと出会ったことも、地震でクミさんという親しい女性を亡くしたことも、そして、あなたとのことも」

「失礼ですけど、プアビさんは、マリアさまと同じ種ですか?」そこでプアビという金髪で背の高い女性がミナの隣りの椅子へ座った。

「あのお方は、あなた方の日本で生まれ、現在もある意味で地球の支配権を持っていらっしゃいます。詳しいことはここでは言えないわけがありますが、交流している、とだけ伝えておきます」

「やはり、わけがあるのですね。わかりました。では、そのことはそこまででかまいません」

「それでは、架け橋になっていただけるのですね」

「わたしの出来る範囲でよろしければ」

「ありがとう。地球の方と少しでも多くとコミュニケーションがとれるようになっていけばうれしいです」

To Be Continued

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2016/01/06

架け橋

ミナの意識が戻った時、側に居たのは金髪で碧い眼の女性だった。

備え付けの椅子に腰掛けている自らの足元に目がいった時、ミナは今まで見たことがない所にいるのだという思いで両膝に緊張が走った。

「安心してください。ここは、わたしたちの母船の中です」金髪の女性の口元から飛びだしたのは意外にも流暢な日本語だった。

「私は、どうなった?」

「あなたが、駅へ向かっていた時、突然でしたがこちらへお連れしたのです」背丈が2メートルほどある蝋のように色白な金髪女性がミナの前に立って答えた。

ミナの記憶が少しずつ戻って来た。生家から京都へ戻ろうと駅へ向かって歩いていた時、突然体が宙に浮き、そこで意識が途切れた。

「ここは、母船の中?」

「ええ。地球の人は、エイリアンとかETとか呼んでいるかもしれないけれど、私たちの種は、地球人の先祖の一つでもあるから、あなたたちとは、さほど違わない種です」

「それで、なぜ私がここへ?」

「ええ。それは、ミナさん、あなたにわたしたちと地球人との間の架け橋になってほしいからです。ああ、申し遅れましたが、わたしはプアビです」

「プアビさん・・」

「そうです。プアビ。わたしの育ての親が付けてくれた名前です」

「その方は、地球人ではないですか?」

「育ててくれた方は、ほかの星のDNAと地球人のものとがミックスしているのではないかと思うけど」

「ごめんなさい。立ち入ったことを訊いて」

「いえ。そうしないと、あなたと親しくなれないかもしれないから」

To Be Continued

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