2018/02/11

現実

「あっ、はい」

「早乙女ミナです」

「あなたがミナさん」

「ええ。お父様も・・」

「ええ。春利と連絡が取れなかったのと、夢を見ましてね」

「地球上にはいないと思うわ」

「やっぱり。私も春利が何か乗り物の中で不安そうにしていたのが、」
現実に思われたので、塾の生徒のことも気になって」

「春利さん、私にも名前も分からない星へ向かっている・・」

「リモートビューイングの能力がある早乙女さんにも分からない星へ、
春利は・・」

「ええ。私たちとは違う種のETが2人、乗り物の中にいるわ」

「そこまで、見えるんですね。それで・・」

「たぶん、春利さんを彼らの星へ連れて行って、
何かを伝えようとしているんだわ」

「春利は無事に地球へ戻れるんだろうか?」

「そう祈りましょう。悲しいかな、お父様、
私たちにはどうにもできません」

「無事を祈って、待つしかないんだね」

と、その時階段下からバッグを手にメガネをかけた青年が上がって来た。

To Be Continued

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2018/02/04

現実

桑田荘太は朝6時前に家を出て、駅の近くで24時間営業の店に入った。

3日前、荘太は春利にメールを送った。授業中でも、メールだったら、
と思った。
それというのは、妙に現実味を帯びた夢を見たからだった。

もしかすると、夢ではないかもしれないと思った。

カレーセットのライスをミニにしてもらった。

電車に乗る前に、乗ってすぐにも、
荘太はスマホでパソコンと同じメールアドレスをチェックした。

「やっぱり、おかしいな・・」荘太は呟いた。
几帳面な春利が、メールを見ないはずはないと思った。
連絡できない状況が起こったに違いない。

地下鉄駅の階段を急ぎ足で上った。

「父さん、僕に何かあったら、塾生や父兄に連絡してほしい」
以前、春利に言われたことを思い出した。

夢が現実だとしたら・・。荘太の心臓は激しく打っていた。

息を切らせて階段を上がり、ドアの前に立った。
春期講習の日程が貼られていた。

ブザーを押した。
2度3度と鳴らしたが、応答はなかった。

春期講習が始まっているから、日程だともう30分もすれば、
生徒が来るのではないかと思った。

階段の下で足音がした。

「あっ!沢さんのお父様ですね」

To Be Continued

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2018/01/14

A dream or reality

空腹を感じる余裕がないまま春利はそこにいた。

エネルギー補給しないままで身体に異変が起きても困るが、
口にした飲み物が原因で苦しむことになったら、とも思う。

「キミと同じ地球人が飲んでも問題なかった」

春利は顔を上げた。

2人のクリーチャーの大きな眼が頷いた。

春利は容器を口に付けた。ペットボトルとは感触が違ったが、
口内に流れ込んだ液体は、グレープジュースを薄めたような味だった。

「問題ないだろう。エネルギー源として有効なものだ」
途中で飲むのを止めた春利の頭に、クリーチャーの意思が伝わって来た。

「すべて飲んだほうが良いだろう」

春利は残りを一気に飲み干した。

「あなたたちの星は、地球より暑いの?」

「キミの住んでいたところよりは暑い」

「どれくらい?」

「キミのいたところの夏より」

「いつも?」

「地球と同じように涼しくなるときがあるが、短い。太陽が2つあるから」

「じゃあ、紫外線のようなものが・・」

「それで、キミたちが宇宙服と呼んでいるスーツを着てもらう」

「あなたたちが着ているような?」

「実験的に地球人用につくった物がある」

「降りる前にここで着てもらう」
もう一方のクリーチャーからだった。

To Be Continued

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2018/01/06

A dream or reality

春利は父に何か不幸なことが起こることを恐れた。

「知らせなくていいのか」

春利は頷いた。

「分かった。キミの意志に従おう」

「ところで、キミは何か食べたくないか」
もう一方のクリーチャー(生き物)からだった。

「眼が回っているような感じだし、
お腹も空いた感じがしない。
地球を去ってからどのくらいになるの?」

春利は半ばあきらめた思いだった。

「地球時間では50時間たったところだ。
72時間で着くように速度を上げているんだ」

「えっ・・。もう2日たっている」

「われわれは地球人とは違うから問題ないが」

「キミたち地球人は、
24時間に3度エネルギー補給するだろう」
もう一方が春利の顔を見ていた。

「あと、20時間もない?」

「初めての長い空間移動で、
キミの体の具合はどうだ」

「ぼくは、生きているのが不思議なくらい」

「うん。そうかもしれない。
地球人用の食べ物をあげよう」

「これ、地球人にも大丈夫なの?」
春利は差し出された350ml位の
ペットボトルに似た容器を受け取った。
中は見えなかった。

「われわれも飲んだことがある」

「地球人からおそわった飲み物だ」

To Be Continued

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2017/12/30

A dream or reality

「どれくらいで、あなたたちの星に着くの?」

「このマシンは、指示されたとおり、われわれの星へ向かっているが、
地球人と違い、われわれにはその時間という概念がない」

「でも、あなたたちは、地球人の使っている時間のことを知っているだろう」

「分かった。地球人向けの答えを出してみよう」
生き物は指を伸ばして何かしたようだったが、春利は相手の指を見つめた。

「キミたちの使う時間では、72時間で到着する」
春利は3本指が曲げられるのを見ていた。

「3日で着くのか。僕は生きて地球へ帰してもらえるんだね」

「われわれの星で、とくに問題なければ、キミは地球へ帰ることができる」

「じゃあ、そのときは地球時間でどれくらいで僕は戻ることができる?」

「そうだな。すくなくとも180日はかかる」

「僕も地球のあの家で子供たち相手に仕事をしているから」

「分かった。キミがいなくなったことを誰かに知らせる必要があるんだな」

「出来ればすぐにでも戻りたいんだ」

「それはできない」

「この高速で移動しているマシンから、どうやって知らせる?」

「その相手がいる地球の場所を知らせてくれ」

春利は相手の大きな眼の奥をじっと見つめた。

To Be Continued

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