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2018/10/12

宇宙政府

「ええ、大丈夫。私にも、何か確信みたいなものが芽生えてきたわ」

「こういうことって、もしかすると、彼らからの目に見えない何かを受け取って変わるのかもしれない」

「沢さんも何か・・」

「うん。僕も、今回とても長く地球を離れていたことになったけど、たとえば、授業をしてみて、無理かもしれないと思ったけど、以前よりひらめくというか、頭が元に戻らないかと不安だったけど、そういったこともなく、授業も出来るし、こうやって梨花さんと会話することも出来て、浦島太郎のように、現実世界が変わって見えるような不安もなくなっている」

「それは、幸せな事ね。わたしは沢さんのような経験はしていないけど。あのオレンジ色に光るものを見てから、世界が広がったというか・・。今回の、沢さんのことをきっかけに、ミナさんからいろいろと聞いて、これまで想像もしなかった世界のことが・・」

「というと・・」

「宇宙には、人間以外のさまざまな知的生命体が実在して、地球以外に、宇宙政府みたいなものがあるって。信じられないけれど」

「ミナさんは、彼らと地球人の仲介役というか、特別な役目を追っているのかも」

「そうね。来未の行った世界があの方には見えている・・」

「うん。別の空間が、一般人以上に見えている」

「おどろくべきことだわ」

「梨花さんも、変わったね」

「ええ。自分でも信じられない」


To Be Continued

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2018/09/26

宇宙政府

「ほかにも何か?」

「ええ、訊いてみたいことが・・」

「どんな?」

「沢さん、何か宇宙服のようなものを着ていなかった?」

「彼らの乗り物にのっているときに、着るように言われて着ていたけど、それが見えた?」

「わたし、誰だろうと思って」

「そ、それが、僕がいなくなってから見えた」

「ええ。それも、ミナさんから沢さんのことを聞いてからだった。オレンジ色の物体を見た後だったか前だったか曖昧だけど」

「乗り物の中の僕が見えたのは夢の中、それとも・・」

「わたしの部屋で午後、お昼過ぎだったと思うわ。ソファに座っていたとき。テレビをつけようと思っていたから、夢ではないわ」

「どんなふうに?」

「目の前の空間に浮かんできた。数秒かな」

「ミナさんみたいだ。それで、僕だけだった?」

「そばに、別な姿の誰かがいた。少し小柄だった」

「間違いない。ぼくと、あの生命体だ・・。それで、その後は?」

「その時一度だけ。気になっていたけど、訊いてみてよかったわ」

「それ、ミナさんに言えば、すぐ分かったと思う。彼女、言わないことも多いけど、いわゆる、リモートビューイングの能力があるから」

「今思えばそうだけど、わたし、病気かもとか思い・・」

「分かるよ。でも、病気とは違う」

To Be Continued

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2018/09/24

宇宙政府

電話は梨花からだった。

梨花は春利の塾の教師に加わったが、慣れるまで週一度の数学とイレギュラーの土日補講担当ということで、春利と顔を合わせるのは実質週一だった。

「それで、これから夕食をどうしようかと思っていたところだけど、梨花さんは?」
梨花はちょっと話したいことがあると言ってきたので、都合を訊いてみた。

春利は出来れば出かけたくなかった。長いこと授業から離れていたので、テキストの予習をしないと不安だった。急な変化に適応できていないことは身体で感じていたし、ふたたび眩暈が起きたら困るとも思う。

そのことにふれると、梨花は春利の塾へ行くという。

「沢さんの好きなお弁当か何か買っていこうか?」

「梨花さん、ピザは嫌い?」

「ピザならなんでもOKだわ」

「じゃあ、野菜の多いのやなにやら、こちらで良さそうなの頼んでおくから、買ってこなくて大丈夫。飲み物で自分の好きなのを買って来てもらえば。これから家を出るのなら、こちらに着くころには間に合っているかも」

電話を切ってから、頭はだいぶ地球環境に戻ったかも、と春利は思う。

「わたし、見るようになったんです」
ピザ店が春利の家から比較的近いこともあり、土曜なのに梨花が着く前にバイク音がしてピザが届いた。梨花が買ってきたパック入りの牛乳と緑茶をカップで温め、あたたかいピザを分け合って食べ、しばらくたった時だった。

「えっ・・」

「先日授業に来た時は話すのはもう少ししてからと思ったけど、ミナさんからいろいろ聞いたこともあり、沢さん、まだ動揺が治まっていないと思うけど、話しておいた方が良いと思って」

「見るようになったって?」

「沢さんが居なくなってから3か月ほどして、ミナさんに連絡して、沢さんのことを聞いた直後かな、夜中に目覚めてカーテンの向こうの空にとても大きなオレンジ色のものを見たんです。それが初めての経験だったわ。それから・・」

To Be Continued

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2018/09/09

宇宙政府

・・・
地球はまわる 君をかくして
輝く瞳 きらめく灯
地球はまわる 君をのせて
いつかきっと出会う ぼくらをのせて

父さんが残した 熱い想い
母さんがくれた あのまなざし
地球はまわる 君をかくして
輝く瞳 きらめく灯
地球はまわる 君をのせて
いつかきっと出会う ぼくらをのせて

サイカとシノが帰った後、
春利は思わず口ずさんでいた。

2人は土曜日に算数の特別授業を希望してきた。
中学受験の模擬テストだけは別の大手の塾へ受けにいくが、
ガリガリの受験勉強はしたくないと言い、
春利が勧めた受験塾へは入らなかった。
親も子供の意思を尊重し、それで良いといった。

「中途半端だと合格できない」と春利は言ったが、
「一応受験して受かればだけど、ダメだったら公立で良いというから」

2人の両親ともそんな様子で、ちょっとだけ応用の問題をやリたいと、
サイカとシノは言ってきたのだ。

模擬試験の結果をみても、それにしては2人とも悪くはない。
もったいないというか、2人の親子共々、ある意味変わっているとも春利は思う。

そんな2人の女の子が好きだといって口ずさんでいるのが、
天空の城ラピュタの主題歌「君をのせて」だった。

このところ、知的生命体の彼らは何も言ってこない。
その方が良いが、それとは別の意図が彼らにはあるらしい。

現実は歌のようにロマンだったりファンタジーはないと春利は実感している。

自炊しようか外に出ようか迷っていた時、スマホの着信音が鳴った。

To Be Continued

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2018/08/30

宇宙政府

半年以上授業を休んでいた春利が教室の生徒の前に立ったのは、
10月の終わりに近かった。

その日、春利と石橋梨花が8名の小学5年生の前に立ち、
今回の事情を話し、
石橋梨花も算数を中心に授業を担当することになったことを紹介した。

「少しやせたんじゃない。わたし、沢先生が宇宙人にさらわれたのかと思った」
説明が終わり、少し間が出来た時だった。サイカがそう言って友達のシノの方を見た。
シノもうなずき神妙に笑っている。

「なるほどね。私は、以前働いていた会社のシャンハイ支店でのことがあってね。
いずれにせよ、長い間、大変迷惑をかけてごめんね。そんなこともあって、
石橋先生にも手伝ってもらうことになりました」

「沢先生、ぼくも宇宙人に興味があるから、何かあったらおしえてね」

「おお、コウキくん、キミは何か体験してるの?」

「うん、僕もあの公園で夕方暗い時間にブーメラン型のやつ、見たことあるよ」

「あそう。じゃあ、授業が終わってから詳しいことおしえてよ。
今日の算数は、石橋先生がメインで、私はサポートで回るから、
分からないとこがあったら質問して」

1時間の休憩後、中学生の授業が始まり、
春利は石橋梨花と並んで立ち、同様の説明をして頭を下げた。

「先生、おれら、ほんとうのこと聞いたって受け入れるよ」

一人の生徒の発言に、春利は冷や汗をかきながら頷いた。

「沢さん、なんか、生徒の方が分かっているような感じね」

「そうだね。ここに来ている生徒たち、いろんな情報をネットで見聞きしているんだろうか」

「父兄の方も、さまざまな情報を交換しているのかもしれないわね」

「なんか・・」

To Be Continued

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