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2019/02/03

Before the dawn

「ミナさん、そんなに深い地下からどうやってあの乗り物で地上へ上がってくるの?」

「ええ。その場面は、別なときに見たことがあるけど、沢さんも、ネット上でそうした情景を見たことがあるんじゃないかと思うわ」

「僕も見たことがある? どんな光景・・」

「山の上空に火の柱みたいなのが立ち上っている」

「そう言えば、動画で」

「地下にみんながUFOと言っている格納庫が複数あって、飛び立つ時、亜空間が開けるというか、そこを上昇して行くのね」

「それは、僕が以前行った八ヶ岳山麓の地下と地上を行き来する時に、そんなだったのかもしれない」

「沢さんは、漠然とした意識の中ですでに体験していたのかもしれないわ」

「ミナさんは?」

「私は、そうした情景が、突然目の前に突然浮かび上がってくることがあるけど、地下での体験はないと思うわ。記憶が消されていれば分からないけど」

「記憶が消される?」

「ええ、彼ら知的生命体にそうされれば、当面意識には上ってこないと思うから」

「さすが、ミナさん。そこまで、分かっていて行動しているんですね。それで、そうした地下って、この国のどこにあるんだろう?」

「世界中にあるけど、日本にも複数あるんじゃないかと思うわ」

「日本列島のあちこちに散在している・・。それは、太古の昔から?」

「たぶん。かれらが、いつごろからそれに関係していたかは、曖昧だけど、だいぶ昔からだと思うわ」

「今日の人間がつくられる以前から?」

「まだまだ、私には分からないことがいっぱいだから」

「やはり、大変な秘密が隠されているんですね」

To Be Continued

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2019/01/23

Before the dawn

「ミナさん、ここ数カ月、とても妙なというかリアルというか、これまでにない夢を週に数回見るんだけど、何か暗示しているのだろうか?」

すでに小中学校は夏休みになり、
春利の塾も夏期講習に入っていたが、そのことについてはミナに初めて話した。

「あら、私もほかのことに気が行っていて・・。それで、どんな夢?」

「地下道を移動しているというか、逃げ回っているというか・・」

「地上でなくて地下ね。地上には出られない何かがあるのかしら?」

「地上に出ると、これまで見たこともない黒い物体が複数現れて襲ってくるというか追いかけてくる」

「その黒い物体は、沢さんに何か危害を加えた?」

「いえ。でも、こちらを目がけて追いかけてくる。それで、地下道へ逃げ込むんだけど、その地下道には人が誰もいない。それに、けっこう入り組んでいて、行き止まりではなくて、突然出口も現れるし、どこまでもつづいている」

「今までに行ったことがあるような所?」

「いえ。初めての地下道だけど」

「地球外のっていう感じは?」

「未知なところだけれど、地球のように感じる。ミナさんは、そんな夢をみたことがない?」

「夢というより、地球の地下というか、ふっとある映像が見えることがあるわ」

「このところ、神社めぐりはしていない?」

「そうね。ある小説を書いていて、ふと浮かんでくるのね。地下のことが」

「それって、どんな風景?」

「たぶん、縄文時代にはあったのではと思われるかと」

「そこには人間のような生命体はいるの?」

「ええ。人間の姿に似ているけれど、ずっと高度な生命体が。そこには人間もいて彼らに仕えている」

「地下のだいぶ深いところ?」

「10キロから20キロ」

「彼らは地上には上がってくるの?」

「ええ。あの乗り物で」

To Be Continued

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2019/01/01

Before the dawn

春利は地下道というかトンネルというか、急ぎ足で移動しながら不安にさらされていた。

景色が見えない地下に居つづけることは気持ちが晴れない以上に抑圧された気持ちになるが、地上に出るともっと恐ろしいことが待っている。

それは地上を歩いていたときに最初に抱いた感情だった。

上空に怪しさを感じた。

見上げると遠くの空に見たこともない黒い物体がいくつも浮かんでいた。

いやな予感がして目をそらせた。

が、次に見上げるとそれらの黒い物体がどんどん大きくなって飛んでくる。

直ぐ側の地下道へと駆け込む。

地下に居ても、彼らには見えているに違いない、
と思いながらも彼らが遠くへ行ってくれることを願っている。

トンネルというより黴の臭いがする地下道。

行き止まりのようで抜け道が見つかる入り組んだ地下道。

早足で移動しながら、

それにしても、なぜ誰とも出会わないのだろう。

地上に出たい思いが募るが、あの得体のしれない飛行隊が瞬時に接近してくる。
そう思いながらも、そこはいつの間にか地上への出口だった。

地上に出たくはないが、戻る気にもならない。人影はないが、誰かに追われているような予感もする。

大丈夫あれは来ていない、と思ったが、
次の瞬間、二つ三つとあの黒い物体が現れ向かってくる。
人間の文明外の黒い物体。

To Be Continued

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2018/12/13

Before the dawn

春期講習は無事終わったが、春利は夏期講習のことが気になった。

「梨花さん、突然いなくなったらお願いします」
新中1の数学の授業に現れた梨花に小声で言った。

「誰がいなくなるんですか?」

「僕とミナさん・・」

「沢さんのお父様は?」

「今度知らせがあったら、父は高齢だしマシン内での生存は無理だと、それに塾の方もみてもらいたいからと強くお願いするつもりだけど」

「ほんとうに、悪夢というか大変なことですね」

「僕にも分からないけど、彼らには、未来の地球人のためというか、ものすごく先を見据えて計画していることがあるのかもしれない」

「私たちは、普通に今の生活を続けていきたい」

「確かに。それにしても、僕ら人間には、分からないことが多すぎて。かといって、逆らえないものがあることも事実だし」

「両親や妹の来未があの大地震による津波にさらわれ、行方不明になったことも何か関係があるのでしょうか?」

「分からない。自然災害ということで、ある意味納得というか諦めてきたことが、何者かによって引き起こされたとか、そういうことって、僕らには証拠がないわけで」

「そうね。別の空間とか闇の組織とか憶測を超えた明確な証拠も指摘できないし」

「ただ、これまで生きてきて、別の見方というか、違った考え方があるかもしれないと思うようになった」

「というのは?」

「これまで、神とか仏とか言ってきた存在が、一般の人間より遥かに進んだテクノロジーで出現するETの種ではないかということ」

「それだけ?」

「うん。彼らとの間に造られたハイブリッド」直後に春利は梨花の眼を見据えた。

「隠されている秘密があるみたいね」

「梨花さんもそこまでいった・・」

To Be Continued

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2018/11/19

Before the dawn

年が明け、春利の学習塾は特に問題なくいっていた。

ミナも週1回は手伝いに来てくれていたが、彼らについての新たな知らせもなかった。

春利は、そのまま行ってくれれば良いと思ったが、そうはいかないという予感はあった。それにしてもなぜ自分なんだろう、という疑問もわいてきたが、準備をしておかないといけないと思い、週4回来ている梨花のほかに、もしもの時にと信頼できる知人に声をかけていた。

そんな不安とは別に、中学受験した2人の女子生徒の合格の知らせが入った。ちょっと信じられない気もしたが、落ちても公立に行くから問題ない、と親から言われていたくらいで、裏口の手配は一切していなかったと、玄関に現れた生徒2人の親の口からきいた。

公立高校の合格発表で、12人全員が合格した。内申や学力で無理のないところへ持って行ったのが正解だったと春利は実感した。高校へ入ってから頑張ればいい、とアドバイスした。

「サトルが高校を受ける前にいなくなることはないよ」
自ら発した言葉を思い出した春利だったが、良いこと続きで、恐ろしくもあった。

「ジュンビシテオクヨウニ」
春利の頭に直接響いてきたのは春期講習のプリントを作っているときだった。
その日、中2の授業が終わり、男性の大学院生も梨花も帰った後で、春利一人だった。

「だ、だれ? どういうこと?」

「チキュウジンニシッテモライタイコトガアルカラ、シバラクツキアッテモライタイノダ」

「だれか知らないけど、どうして、僕なんだ? ほかにもいっぱい人間はいるじゃないか」

「ホカノチキュウジンモベツベツニツキアッテモラッテイル」

「準備って、いつ?」拒否してもどうにもならないことは分かっていた。

「マタシラセル」

「こちらにも都合があるんだ!」

「ワカッタ。ツギニシラセルトキニハナシヲキコウ」

勝手にするな、と春利は言いたかったが、相手がすでに立ち去ったことが、電波のような雑音が消えたことで分かった。

To Be Continued

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